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【イベントレポート】新たな才能×空間づくりのプロの共創フィールド「丹青社空間アワード2025」|“また行きたくなる空間”のアイデアが集結
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丹青社空間アワードは、新たな才能と、街をいろどる空間づくりのプロフェッショナルたちが出会い、そのポテンシャルや、ミライ空間の在り方を、ともに考える協創フィールドです。「空間アワード」として生まれ変わって2年目。アイデアコンテストとしては、5年目を迎えることが出来ました。
今回のテーマは、「また行きたくなる○○な空間」。日々の喧騒を忘れさせてくれる安らぎの空間。沸々と活力が湧いてくる刺激的な空間。そこにしかない世界観に、思う存分浸ることができる空間。そこに集まる人たちと共に同じ思いを分かち合える空間。美しいだけでなく機能的で、スマートに目的を果たせる空間。その空間に「また行きたくなる」と感じる理由は人それぞれです。あなたは人々の心にどのような「また行きたい」を生み出しますか?本コラムでは、最終選考にノミネートされた8作品の紹介を中心に、11月19日の最終審査会、12月3日の表彰会の様子をお伝えします。
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目次
- 01. 最終審査会
- find inner peace / 本田信一郎(一般社団法人hopuni project)
- ashiba / 桂藤快晟 、鹿田萌々香、須山将之介、溝下藍花(島根大学大学院)
- SENTEI Café / 中馬啓太(チューマ アーキテクト アンド アソシエイツ)
- 夢想列車 / 柴﨑玲那、佐伯航太郎(東京大学)
- 釜の縁キッチン ―離れで生まれる食の地域交流拠点―(山口篤、一杉健洋 / 早稲田大学大学院)
- MIND GYM(車田暁、志鎌のり子 / COLLINO一級建築士事務所)
- 書店員と読者をつなぐ 本棚の街 / 小林侑香子(東京都立大学大学院)
- アスレクック / 遠藤佑晟、越後慶一郎、大澤歩生(東京工科大学)
- 02. 表彰会
- さいごに
01. 最終審査会
いよいよ、最終審査会。応募210作品の中から、8作品が最終審査に進出!
今回の審査基準は、テーマの把握力、時代への共感、価値の捉え方の3点でした。多数の意欲作の中から、書類審査、オンラインプレゼンテーションを経て、最終審査会に選出されたのは8作品。11月19日当日は、全員が熱意あふれるプレゼンテーションを行い、審査員との質疑応答も活発に行われました。
以下、当日の発表順にご紹介します。
find inner peace / 本田信一郎(一般社団法人hopuni project)

不機嫌な時代。街を歩けば、うつむきがちにスマホを見つめ、表情の乏しい人々が個人主義のバリアを張っているようにも見えます。そんな空気を変えるには、こまめな心身のリフレッシュが不可欠だと感じた本田さんが考案したのが、滝行と坐禅を日常のルーティンに取り入れられる、極めて日本的な心を整える空間です。まずは清めの滝行から。白装束で合掌し、気持ちを整えてから10〜15分間滝に打たれ、雑念や心のバリアを洗い流します。水流の強弱は選べ、髪を濡らしたくない方にはヘアキャップも用意。細やかな配慮が光ります。

続いて坐禅へ。座り方や手の組み方、半眼の意味、呼吸法といった基礎レクチャーを受けたら、約20分間静かに心を落ち着かせます。希望すれば、眠気を払うため肩を叩く「警策(きょうさく)」を受けることもできます。そして何より独創的なのは、この空間を街中のパブリックスペースやオフィスに併設するという発想。平穏が戻り、呼吸が深くなり、心にゆとりが宿るから、毎日のようにでも「また行きたくなる!」。
ashiba / 桂藤快晟 、鹿田萌々香、須山将之介、溝下藍花(島根大学大学院)

SNSやネット通販が当たり前になった今でも、人がわざわざ店に足を運ぶのは、商品そのもの以上に出会うまでの物語や、人とのつながりが、その場所を「また行きたくなる」空間にしているからではないでしょうか。 桂藤さん、鹿田さん、須山さん、溝下さんが提案したのは、そんな空間を育てるための、空間のサブスクリプションシステム。また行きたくなる空間を、単に買う場所ではなく、店を育て、変化を楽しみ、成長を一緒に喜べる場として再定義しています。 まず店主は、ashiba付きの店舗をレンタルし、自分の世界観に合う家具パーツをチョイス。

パーツは簡単に付け外しができるため、試行錯誤しながら理想の店舗をつくり上げていけます。何度も組み替え、検討を重ねるその過程自体が、とても楽しい体験に。 そして訪れる人にとっても、行くたびに新しい発見や、思いがけないモノとの出会いがある、生き物のように変化し続ける店は飽きません。だからこそ、毎回新鮮な気持ちで「また行きたくなる!」。
SENTEI Café / 中馬啓太(チューマ アーキテクト アンド アソシエイツ)

街なかの樹木を剪定した際に出る木材は、十分に活用されていない現状。その課題に着目した中馬さんが提案するのが、「剪定木」をテーマにしたワークショップカフェです。 参加者はコーヒーを片手に、剪定で発生した木材を使ってクラフト作業を楽しみます。みんなで作ったベンチやテーブルは街なかに設置され、誰でも自由に使えるストリートファニチャーに生まれ変わります。

こうして少しずつ、まちの風景が豊かになっていく仕組みです。 剪定がひと段落すると、SENTEI Caféは次の場所へ移動し、ポップアップのように展開。参加者のレベルに合わせて、短時間で気軽にカトラリーをつくる内容から、専門的な工具を使った加工、チームで進めるプロジェクト型のものづくり、さらにはチェーンソーを扱う上級編まで、子どもから大人まで幅広く楽しめます。 そもそも、手を動かすものづくりは本来とても楽しいもの。作りかけの作品があれば自然とまた訪れたくなるし、街と素敵なかたちで関われる。だからこそ、「また行きたくなる!」。
夢想列車 / 柴﨑玲那、佐伯航太郎(東京大学)

夜も昼も楽しめて、乗る人も沿線地域の人々もワクワクできる。そんな新しい夜行列車、その名も「夢想列車」。 「夜行列車が単なる移動手段なのはもったいないよね」という発想から、この企画は生まれました。柴﨑さん・佐伯さんが提案したのは、移動そのものを楽しみながら、乗客だけでなく停車駅の地域まで活気づける空間です。 夕方、大都市を出発した夢想列車は、その夜、行ってみたいけれど普段はなかなか足を運ばないような町に一晩停車。停車中はマルシェが開かれたり、銭湯やバーとして利用されたり、さらには宿泊施設にも変身。地域の人々もウェルカムで、乗客と地元の人たちが自然に交流できる場になります。

翌朝列車が走り出し、昼間に到着するのは、駅待合室がないような地方の駅。そこで長時間停車することで、カフェのように立ち寄れる列車空間が生まれ、また違った地域との交流が広がります。 これはモビリティなのか、はたまた空間なのか?どちらにせよ、1泊24,000円を想定した夢想列車は、思わず定期的に乗りたくなる、そして「また行きたくなる!」。

釜の縁キッチン ―離れで生まれる食の地域交流拠点―(山口篤、一杉健洋 / 早稲田大学大学院)

「また行きたくなる空間ってどこだろう?」と考えたとき、浮かんできたのはおばあちゃんの家。縁側で自然を眺めたり、おしゃべりしたり—あの心地よい時間が原点になっています。山口さん、一杉さんが提案したのは、そんな縁側の感覚をまちに広げたような、川のように人が流れてはたまる縁側空間。地域の日常に自然と溶け込み、行けば誰かと関係が生まれ続ける、まちの縁側です。舞台となるのは青梅にある某うどん屋さん。店主の引退に伴い、うどんの提供を終えた店舗をリノベーションするという具体的なプランです。ポイントは、住まいとしての母屋と、キッチンや交流スペースを備えた離れを分ける構造。

その2つを大きな屋根でつなぐことで、天候に左右されず、誰でもふらっと立ち寄れる半屋外空間が生まれます。「離れ」として新たに独立した食の空間は、地域に向けてこれまで以上に食の風景を前面に押し出し、多様な食を主役とした新しいコミュニケーションの場へ。農業資源と食文化を活かした、このおいしいコミュニティの拠点は、「また行きたくなる!」。
MIND GYM(車田暁、志鎌のり子 / COLLINO一級建築士事務所)

身体を鍛えるジムは数多くあるのに、なぜ心を鍛えるジムは存在しないのか。 車田さん、志鎌さんのそんな問いから生まれたのが、AIと自然が導く「心の筋トレ空間」、MIND GYM です。 森の映像、自然音、香り、ミストに包まれながら、AIの伴走によって リセットゾーン→散歩ゾーン→集中ゾーンの3つをめぐる構成。自己肯定感やストレス耐性、創造性を育む心のトレーニングが体験できます。 最大の特徴は、ウェアもシューズも不要で、街中でふらっと立ち寄れる手軽さ。都市では希少な心の筋トレ環境として、朝は創造性を高め、夜は心を落ち着かせるなど、時間帯に合わせた没入演出も魅力です。

仕上げはドリンクゾーンへ。ハーブや薬膳のドリンクで身体の内側からも整えられます。 さらにAIが心拍や体温をチェックし、「心拍の安定」や「リラックス度」をフィードバック。 爽快感に加え、成果の見える化がモチベーションを高めてくれます。 ビジネスマンはもちろん、主婦やシニアだって「また行きたくなる!」。
書店員と読者をつなぐ 本棚の街 / 小林侑香子(東京都立大学大学院)

また行きたい空間の鍵を握るのは「人」ではないだろうか?そう考えた小林さんが提案したのが、書店員を主役にした、本棚の街です。 本を選ぶとき、今売れている本は?これを調べるのに適した本は?いまの気分に合う本は?と、私たちは多くのことを考えます。そこに、本が好きで知識もある書店員が、あなたにぴったりの一冊を選んでくれる空間があったら、 リアル書店の価値は一気に高まるのではないでしょうか。本棚の街は、書店員ごとの個性あふれるブースが集まる小さな街。センスが光る選書、心を掴むPOP、世界観に満ちた本棚を眺めながら歩く路地裏のようなワクワク感が広がります。

お客さんと話しながら学ぶ新人書店員のブースもあれば、 人気のカリスマ書店員には行列ができることも。本にちなんだ物販をしたり、一般の人がブースを借りてギャラリー展示や占いを開いたり、 複数人で古本市を企画したりするのもOK。オンラインでは味わえない、リアルならではの体験に「また行きたくなる!」。
アスレクック / 遠藤佑晟、越後慶一郎、大澤歩生(東京工科大学)

スマートフォンとSNSの普及により、日々たくさんの写真を撮り、共有することが当たり前になった時代。誰かの投稿を見て「あ、行ってみたい!」と思うのは、ごく自然なコミュニケーションになりました。そんな背景を踏まえて、遠藤さん・越後さん・大澤さんが考えたのが、料理をテーマにした新感覚アスレチック「アスレクック」です!

子どもが巨大な鍋やフライパンの上で料理されるというユニークな発想から、ハンバーグ、カレー、ナポリタンの3コースが誕生しました。子どもたちは巨大化した料理工程を巡りながら遊び、「ひき肉の隙間を潜り抜ける」「ポンプを押して火力を強くする」「カレーの山に登る」「パスタをつかんで上へ登る」など、全身を使って思いきり楽しめます。その中で自然と簡単な調理の流れも学べるから、食育の側面もばっちり。
親は、そんな子どもの面白いショットをたくさん記録でき、家族の記憶に残る共創型の体験が生まれます。遊んで学べて、写真を撮りたくなる空間は、「また行きたくなる!」。
02. 表彰会
受賞者のみなさまに心よりお祝い申し上げます。
2025年の入賞作品は計11点。12月3日に行われた表彰会では、まず審査員特別賞を受賞したみなさまが壇上へ呼ばれ、賞状が授与されました。審査員特別賞には、社会人4点・学生5点の計9点が選出。企業さまからは、それぞれの作品が高く評価された理由についてもコメントが寄せられました。新しい視点や挑戦に満ちたアイデアが揃い、会場は終始あたたかな拍手に包まれました。未来の商空間を拓く創造力に触れる、豊かな時間となりました。
審査員特別賞
夢想列車 / 柴﨑玲那、佐伯航太郎(東京大学)
影との対話 / 活動名:Majikitchen(Vox Japan)
自然と調和する【リトリートカフェ】 / 藤原丞(株式会社さら)
MIND GYM / 車田暁、志鎌のり子(COLLINO一級建築士事務所)
ちくちく / 大﨑花音(長岡造形大学)
おやこマルシェ / 近藤帆波美(日本女子大学)
宙に浮かぶ / グループ名:春空 チフチソラン、岡田美春(福井大学)
next toilet / 西尾依歩紀(株式会社竹中工務店)、藤本彩(株式会社空間創研)
わびさびを日常に / 山崎誠英(高崎経済大学)
学生賞は、親子それぞれの楽しみがある「アスレクック」

アスレクック / 遠藤佑晟、越後慶一郎、大澤歩生(東京工科大学)
毎年恒例ではありますが、本日壇上に呼ばれた3組の受賞者のみなさまは、ご自身がどの賞を受賞しているのか、本番の発表まで知らされていません。今年の最終3組はいずれも学生。まさに誰がどの賞を受賞してもおかしくない緊張感の中、まず発表されたのは学生賞。遠藤さん、越後さん、大澤さんによる「アスレクック」が選ばれました。3人が作品を仕上げたのは、主に夏休みの期間。オンラインホワイトボード「Miro」を使い、時には5時間ぶっ続けでWeb会議をしながら、「ああでもない、こうでもない」と議論を重ねたといいます。「作業は3人で分担しました。最初に絵を描く人、それに色を塗る人、フィニッシュする人という感じで。細かいところにこだわり始めたら終わりが見えなかったのですが、それも含めてとても楽しい経験でした。いただいた賞金で3Dプリンターを買いたいと思います!ありがとうございました!」。
優秀賞は、会話や交流をキーにした「書店員と読者をつなぐ 本棚の街」

書店員と読者をつなぐ 本棚の街 / 小林侑香子(東京都立大学大学院)
最終選考に残った学生の中で、唯一ひとりで挑んだ小林さんの作品が、今年の優秀賞に選ばれました。夏には丹青社でインターンを経験し、空間デザイナーという仕事に強い関心を抱いていたという小林さん。このコンテストを知った瞬間、「絶対に応募しよう」と決めたそうです。 まず徹底的に考えたのは、「また行きたくなる空間とは何か」。そこでたどり着いた答えが、人。その気づきを軸に、案を一気にまとめました。
「提出直前にインフルエンザにかかって必死で絵を描き上げました(笑)。何より楽しかったのは、二次審査と最終審査で、空間づくりのプロの方々からフィードバックをいただけたことです。「テーマ性を持たせた編集をするなど、選書の切り口があるとさらに面白い」「本に触れてない人から、大の本好きまでターゲットごとに仕掛けの違いがあるといいかも」など、自分では考えていなかったご意見をいただき、新しい視点を持つきっかけになりました。最終案はひとりではなく、みなさんと作り上げたものだと感じています」 。素敵なコメントに会場も深く聞き入っていました。
最優秀賞は、物語が生まれそうな期待感にあふれる「夢想列車」

夢想列車 / 柴﨑玲那、佐伯航太郎(東京大学)
今年度の頂点に輝いたのは、柴﨑さん・佐伯さんによる「夢想列車」。審査員特別賞とのW受賞という快挙を成し遂げました。最終プレゼンでひときわ印象的だったのは、佐伯さんの電車愛。資料には、列車本数の少ない単線駅と、通過・すれ違い・追い越し列車のある駅、それぞれのケースを踏まえた運行パターンが描かれており、さらに日時別の具体的なダイヤまで細かく作り込まれていました。また、電車の天井が開閉可能かどうか、面積と客単価の比率はどう考えるかといった質問にも即座に回答し、審査員席からは思わず笑いがこぼれる場面も。
ちなみに、この列車案を最初に提案したのは、実は柴﨑さん。それを聞いた佐伯さんのイメージが一気に膨らみ、2人で楽しくディテールを詰めていったのだそうです。「壁面にフルーツをぎっしり埋め込んだドリンクスタンドとか、植木ポットが動いて地域のみんなでリレー式に育てるアイデアなんかも出ていたんです。でも、最終的に列車案にしてよかった。模型はほぼ徹夜で作りました。審査員の中にJRの方もいらっしゃるので、もし実現したら嬉しいです」好きの熱量が見事に形になった受賞でした。
毎年大盛り上がりの審査員クロストーク

クロストークに参加したのは、舟本恵さん(JR西日本SC開発株式会社)、高橋紀人さん(Jamo associates)、勝田隆夫さん(LINE-INC.)、窪田望さん(株式会社Creator’s NEXT)、武井祥平さん(株式会社nomena)、神田武志(株式会社丹青社)。今年も鈴木朗裕(株式会社丹青社)が、ファシリテーターを務めました。
初めに、「また行きたくなる、○○な空間」について意見が交わされました。飲食店の場合、料理そのものの魅力はもちろんですが、店長やスタッフ、常連客など会いたい人がいる空間こそ、再訪につながるという声が多く聞かれました。実際、優秀賞を受賞した「本棚の街」においても、書店員との出会いが大きなポイントとなり、人そのものが訪れる理由になることを示しています。一方で、空間・人・食のどれかが突出していても、バランスが取れていなければリピートにはつながりにくいという指摘もありました。
では、商空間ではなく展示空間ではどうなのでしょうか。たとえば大規模で期間限定の万博は、一度では見切れない規模ゆえに何度も足を運びたくなります。一方、常設展では鮮度が求められます。しかし、新規性ばかりを追い続けると、かえって陳腐化してしまう危険もあります。ここで鍵になるのが、「動詞を変えてみる」という発想です。「また着たくなる服」「また見たくなる景色」「また踏みたくなるもの」。行動の視点を変えることで、繰り返し訪れたくなる理由が見えてくる、というコメントが印象的でした。
また行きたくなる空間において、デザインのできることは何か。大事な場所で、大事な時間を、大事な人と過ごしたいという誰もが持つ普遍的な願いに寄り添うことこそ、デザインやアートの価値であるという意見が共有され、深く頷き合う場面がありました。余白もキーワードです。受賞作の「夢想列車」も「本棚の街」も想像が掻き立てられる余白があり、すぐにでもSF小説になりそうな感覚に人は惹きつけられます。デザインやアートは、見慣れているはずのものを新しく捉えてもらうことができ、以前とは違う目で世界に触れさせる力があるという発言もありました。
トークの最後に出たのは、日常と非日常という話題です。例えば、ふたごの卵は日常的非日常、外国で急に日本語が聞こえてくるのは非日常的日常。このように、日常と非日常の狭間を行き来する要素こそが、「また行きたい○○」につながるのではないか、という話が盛り上がりました。今回受賞した「夢想列車」「本棚の街」「アスレクック」ともに、見知らぬ土地の人との出会い、書店員さんとの出会い、子どもの成長との出会いを通して、まさに日常的非日常を見事に表現していたと言えるのではないか。そんな視点を共有しつつ、今年のクロストークは幕を閉じました。
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さいごに
今年も、多様な背景を持つ応募者の方々が、自らの発想と情熱をかたちにし、私たちの想像を超える「空間の可能性」を提示いただきました。変化し続ける社会の中で、空間づくりに求められる視点もまた、進化しています。業種や役割の枠を超えた自由なアイデアを集める本アワードでは、未来を見据えた「場」の在り方に挑戦する、すべての方を歓迎いたします。「今」の延長にある「未来」へ。新しい空間のカタチをともに探求する場であることを、今後とも心から楽しみにしています。

この記事を書いた人
吉岡奈穂 / コピーライター
東京都出身。旅行会社、広告代理店等を経て、2003年日本デザインセンター入社。2019年よりフリーランスとして活動している。専門領域はブランディング、コピーライティング。月100冊の本を読む。
この記事を書いた人
吉岡奈穂 / コピーライター
