キッズスペースをデザインする際のポイントは?用意するべきものも解説!

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店舗にキッズスペースを設けると、新規顧客やリピーターの獲得が期待できます。また、子どもの安全性の確保や、効率的な店舗運営につながるなどのメリットもあります。この記事では、キッズスペースを設けるメリットや設置の手順、デザインする際のポイントを解説します。店舗のキッズスペースに用意するべきものについてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

店舗のキッズスペースとは?

店舗のキッズスペースとは、親子で来店して利用する空間のことです。保護者が商品やサービスを購入している間に子どもが遊んだり、親子が一緒に時間を過ごしたりするために使われます。一般的には、無料で提供されていますが、スタッフによる監視や保育も含まれている場合は有料となります。

店舗にキッズスペースを設けるメリット

キッズスペースを店舗に設置することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、主なメリットとして下記の5つを紹介します。

新規顧客の増加が期待できる

店舗内にキッズスペースがあると、小さい子どもがいる家族が気軽に来店できるようになります。子どもとの外出は周囲に気を遣うため、負担に感じる人は多いでしょう。ゆっくり買い物ができるよう、祖父母や親戚、ベビーシッターに子どもを預けるといったケースも少なくありません。

キッズスペースを設けることで、子どもが理由で外出を控えていた家族連れの来店を促すことにつながり、新規顧客の増加が期待できます。SNSなどで情報が広まれば、さらなる集客効果も見込めます。

リピーターの増加が期待できる

子育て世帯は、子どもを連れて行きやすい店舗を優先的に選ぶ傾向にあります。キッズスペースの用意は他店との差別化にもなり、リピーターの増加も期待できる要素です。子育て世帯をターゲットとする商品やサービスを提供している場合は、キッズスペースの設置によって集客力の向上にもつながります。

顧客の単価向上につながる

長時間の買い物は子どもが飽きてしまうため、店舗の滞在時間が短くなってしまうケースも少なくありません。その点、キッズスペースがあれば子どもは楽しい時間を過ごすことができ、保護者も落ち着いて買い物がしやすくなります。その結果、滞在時間が伸びて購入する商品が多くなり、単価の向上につながります。

店舗の安全性が向上する

大規模店や壊れやすい商品を扱っている店舗では、安全性の観点からキッズスペースの設置が有効です。子どもがキッズスペースに集まることで、迷子になったり、店内を走り回ったりするリスクを軽減できます。

店舗をスムーズに運営しやすい

店舗運営がスムーズになるのも、キッズスペースを設置するメリットです。子どもはときに思いがけない行動をとるため、店舗内でケガをしたり、商品や備品を壊してしまったりするケースがあります。

ケガの対応や破損した商品の片付けなどが頻繁に発生すると、人手不足に陥り、通常業務にも悪影響を及ぼしかねません。安全性が確保されたキッズスペースがあることで、トラブル対応の負担が軽減でき、スムーズな店舗運営が実現できます。

店舗のキッズスペースの作り方

続いて、店舗のキッズスペースを作る方法を4つのステップで解説します。

1. 目的に合わせた内装にする

まずは、キッズスペースを作る目的を明確にしましょう。前述したとおり、キッズスペースは親子で来店して利用するものですが、店舗や業態によって滞在時間は異なります。たとえば、保険の契約や車の購入などの場合、商品を選ぶだけでなく、さまざまな書類の確認が必要となるため滞在時間は長くなる傾向です。

一方、飲食店であれば、食事をする前後の利用が基本となります。キッズスペースを利用する時間を予測し、子どもが飽きずに親御さんを待てる空間づくりを意識しましょう。

2. デザインやレイアウトを決める

続いて、デザインやレイアウトを決めていきます。キッズスペースのデザインは、店舗の内装や外観との統一感を意識することが大切です。設置場所は、安心して利用してもらえるよう、保護者から見えやすいエリアを選びます。ただし、出入口付近は子どもが外に出たり、不審者が子どもを連れ去ったりする危険性があるため、キッズスペースの設置には不向きです。

3. 設備や機器をそろえる

デザインやレイアウトが固まったら、キッズスペースの広さなどを考慮しつつ、設備や機器を選定していきます。子どもが怪我なく遊べるよう、硬いものや尖ったものの設置は避けましょう。導入コストやお手入れのしやすさも重要なチェック項目です。色味やテイスト、素材を似たものでそろえると、統一感のある空間に仕上がります。

4. 設置や内装の施工をする

最後に、機器の設置や内装の工事に取りかかります。フロアマットを敷いたり、簡易的な遊具を設置したりするだけであれば、スタッフのみでも対応できます。店舗運営などが忙しくリソースを割けないときや、大がかりな工事が必要な場合は専門の業者へ依頼しましょう。

店舗のキッズスペースをデザインする際のポイント

キッズスペースを設置したことで、スタッフの負担が増したり、店舗の印象が悪くなったりする状況は避けなければなりません。ここでは、店舗のキッズスペースをデザインする際のポイントを解説します。

子どもの安全性を確保する

キッズスペースでもっとも重視すべきは、子どもの安全性の確保です。店舗への信頼に直結する部分となるため、安全性の確保は最優先しましょう。安全性の確保に関する具体的な施策は、下記のとおりです。

・硬いものや尖ったものを置かない
・玩具は子どもの口に入らない大きさにする
・コンセントなどのコード類は隠す
・消毒やメンテナンスを定期的にする
・出入口にキッズスペースを設けない

内装のデザインとの統一感を保つ

キッズスペースのデザインと店舗の内装デザインが乖離していると、店舗のイメージが損なわれる恐れがあります。子ども向けのアイテムは鮮やかな色味のものが多いですが、店舗の雰囲気にマッチしていないと、キッズスペースだけが不自然に浮いてしまいます。全体的なバランスを意識して、統一感のある設計やデザインを心がけましょう。

適切な内装材を用いる

内装材は安全性やメンテナンス性、デザイン性などを考慮することが大切です。たとえば、本来の床材が固い物件の店舗では、キッズスペース用にフロアマットを敷くことで安全性を確保できます。子育て世帯以外の利用者も快適に買い物ができるよう、吸音パネルなどを採用し、音の拡散を防ぐ工夫も必要です。

音響や映像設備の種類を検討する

キッズスペースで映像や音楽を流す場合は、設備について検討する必要があります。ガラス製のモニターはケガをするリスクが高まるため、破損しにくい材質のものを選ぶのがおすすめです。また、モニターが倒れてしまわないよう、しっかり固定したり、子どもの手が届かない場所に設置したりするなど、安全性に配慮しましょう。

メンテナンスの計画を立てる

多くの人が利用するキッズスペースでは、衛生管理を徹底することも重要です。きれいな状態を保つためには、メンテナンス計画を立てて、確実に実行することが推奨されます。「営業開始前に消毒をする」「毎週月曜日は玩具や備品に破損がないかチェックする」など、具体的な行動を決めておきましょう。

キッズスペースに用意したいもの

最後に、キッズスペースに用意しておくと便利なものを紹介します。安全性にも気を配りながら、子どもたちが楽しく過ごせる空間の構築を目指しましょう。

マットやテーブル

床面にマットを設置すると、子どもが飛んだり跳ねたりしても安全性を確保できます。また、テーブルを用意することで、折り紙やぬりえなどを楽しんでもらえます。ただし、クレヨンや色鉛筆などは0歳児や1歳児が誤って口にすることがないよう、管理を徹底する必要があります。

消毒できるアイテム

小さな子どもは、よだれなどでマットや遊具を汚してしまうことがあるため、消毒液やウェットティッシュなどを常備しておくと便利です。消毒できるアイテムは、キッズスペースを清潔に保てるだけでなく、感染症対策としても役立ちます。

玩具

キッズスペースに用意する玩具は、子どもが1人で集中して遊べるものがおすすめです。具体的には、次のような玩具が挙げられます。

・パズル
・積み木
・折り紙
・ぬりえ

いずれも多くの子どもが楽しみやすく、場所も取りません。絵本や知育玩具は「大人に読んでもらいたい」「誰かに手伝って欲しい」という気持ちが芽生えやすいため、キッズスペースに置くのは避けた方が無難です。

まとめ

子育て世帯にとって「キッズスペースがあるか」は、店舗を選ぶ際の重要な基準の1つとなります。子どもの安全確保を最優先に考えながら、店舗にマッチするキッズスペースの導入を目指しましょう。

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この記事を書いた人

株式会社丹青社

「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。

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