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クリニックの受付をデザインする際のポイントは?設計のコツ・注意点を解説
ウェルネス |
クリニックを設計する際は、受付のデザインを工夫する必要があります。受付は患者が最初に目にする重要な部分であり、受付の印象がクリニックの印象となりやすいためです。
本記事では、クリニック受付のデザインに関して、重要性や設計のポイントを解説します。デザインにおいて意識すべき点や事例も紹介するので、参考にしてください。
目次
受付はクリニックの顔
受付のデザインは、クリニックの第一印象や雰囲気を決める重要なものです。患者にとっては、クリニックに入ってまず目に入る部分が受付となります。また、受付では受診の案内や次回の予約、会計など、患者とのやりとりも多く発生することでしょう。
したがって受付の居心地のよさは、患者のクリニックに対する印象を左右するだけでなく、クリニックを選ぶ動機の1つになり得るのです。
クリニック受付に求められる機能
クリニックの受付には、以下のような機能性が求められます。
快適な待ち時間の提供
クリニックの受付では、待ち時間を患者が快適に過ごせるような配慮が必要です。クリニックに来院する患者は、体調不良や心理面での不安を抱えていることがよくあります。それでも快適に待ち時間を過ごしてもらうためには、受付のデザインをリラックスしやすいものにしておかなければなりません。快適な椅子を設置し、室内の色調や明るさも工夫するとよいでしょう。
待合までの動線誘導
来院した患者がスムーズに待合に行けるよう、動線を考えて受付を設計しましょう。また、スタッフが動きやすい点も重要です。業務において余計な動きを少なくできるよう、効率的な動線を意識したデザインをおすすめします。
チェックインシステムの導入
クリニック受付を設計する際は、受付に案内システムを導入すると便利です。受付の仕事は多岐にわたるため、システム導入によって予約の手続きを効率化できるだけでも、負担を軽減できます。さらに待ち時間が表示されることで、患者のストレスを軽減できるのもメリットです。
受付スタッフの作業スペースの確保
受付は、スタッフが作業するためのスペースでもあります。全員が余裕を持って動けるよう、空間を確保しなければなりません。また筆記用具などを収納できる引き出しを設けたり、カルテなどの書類を片付けられる棚を置いたりすることも必要です。さらに棚までが遠くなりすぎないよう、空間の広さを調整することも忘れないようにしましょう。
クリニックの受付デザインのポイント
クリニックの受付をデザインする際は、以下のようなポイントに留意しておきましょう。
開放的である
クリニックの受付は、開放的なデザインであることが重要です。明るい色使いで、できるだけ空間を広く見せる工夫も効果的でしょう。デスクまわりなどは、丸みを帯びた形状にすると柔らかい雰囲気になります。不安を感じることの多い患者に、安心できる空間を提供できることが大切です。
清潔感がある
クリニックでは、清潔感が求められます。医療機関にふさわしい、気持ちのよい空間を意識しましょう。またスタッフが整理整頓を心がけることはもちろんですが、そのためには整理整頓のしやすい機能的なデザインにする必要があります。スタッフの動きを想定しながら収納なども工夫してください。
スタッフの姿が見える
患者からスタッフの姿が見えると安心感につながるため、患者の座る待合場所からスタッフが見えるよう、距離感を意識したデザインがおすすめです。またスタンド・着座両対応のカウンターなら、スタッフが働きやすくなります。カウンターでやりとりをする患者の目線の高さを考慮するとよいでしょう。
クリニックの受付デザインで意識する点
クリニックの受付では、患者側、スタッフ側双方の視点からデザインを考えましょう。クリニックの受付デザインで意識すべき点を解説します。
受付の配置・高さ
受付のカウンターは高すぎず低すぎず、適度な高さに設計することが必要です。受付カウンターの高さが高すぎると、受付用紙の記入や、会計作業がしづらくなります。反対に、カウンターが低すぎると、カルテなどが周囲に見えてしまう可能性があるでしょう。利便性を確保しながら、目隠しもできるような高さが理想です。
プライバシーの確保
クリニックの受付は、外から見えづらい配置やデザインにすることが基本です。外から受付の様子が見える状態は、プライバシーが確保できないため望ましくありません。誰かに見られてしまうかもしれず、患者のストレスにつながる可能性があるでしょう。
清掃のしやすさ
受付の清掃のしやすさは、清潔を保つためのポイントです。受付は、大勢の患者が訪れるため常に消毒・除菌が必要な場所といえます。したがって耐久性が高く、劣化しづらい素材を使う必要があるでしょう。清掃がしやすいことは、スタッフにとって日々の業務がスムーズに進むことでもあります。
クリニック受付デザインを決める手順
クリニックの受付デザインを決める際は、以下の手順を参考にしてください。
色調・スタイルを決める
まずは全体の色調やスタイルを決定します。クリニックの受付には、清潔感のある爽やかなカラーリングが適しているでしょう。ベースはホワイト、クリーム、グレーなどのニュートラルカラーがおすすめです。アクセントとしてベージュ、ライトブルー、ライトグリーンなどを取り入れると、爽やかにまとまります。
照明を選ぶ
照明は、クリニックの雰囲気を左右します。医療機関という性質を考えると、明るすぎても、暗すぎても好ましくありません。温白色の照明や間接照明をメインとした、照明による刺激を抑えるデザインが適しています。
なお、照明の工夫によってシックな雰囲気にもできるため、コンセプトに沿った照明を選択してください。
デザインを考える
色調と照明が決まったら、全体のデザインを考えていきます。演出したいイメージからデザインを検討しましょう。例えば、円弧型の受付カウンターなら滑らかな印象になります。デザインの幅は無限大ですが、デザインを優先して使い勝手を悪くしないよう注意が必要です。
クリニック受付デザインの設計方法
クリニック受付デザインを設計する際は、以下の方法がおすすめです。
スタッフの意見を反映する
スタッフの声を受付デザインに反映させると、現場でしか分からない意見を取り入れられます。クリニック受付は、デザイン性が高いことに加えて、スタッフが働きやすい実用性を兼ね備えることが重要です。物入れの場所やサイズ感など、スタッフの声があればより実用的なデザインにできます。
患者の意見を取り入れる
クリニックでは患者の満足度が重要になることから、患者の意見をヒアリングして取り入れるのも効果的です。患者の意見は必ずしも、クリニック側が感じている課題を解決してくれるとは限りません。しかし患者の要望を知ることができれば、新たな課題を把握でき、思わぬアイデアにつながる可能性があるでしょう。
専門業者に相談する
設計会社、内装会社といった専門業者への相談も効果的です。専門業者へ相談すれば、デザイン・設計のプロの助けを借りられるため、ノウハウを活かした使いやすい受付に仕上がります。また専門家ならではのアイデアを出してもらうことができるため、できれば早い段階で相談し、プロの手でデザインをしてもらう方法が効率的です。
クリニック受付デザインの事例
クリニック受付の理想的なデザインについては、具体的な事例を見てみるとわかりやすいでしょう。以下では実際のデザイン事例を2つ紹介します。
ナゴヤガーデンクリニック
名古屋駅に近い大型医療モールの事例です。明るく解放感のある施設をコンセプトとしており、受付スペースは床、壁、天井まで、明るい色の木調で統一しています。間接照明と天井の埋め込み照明を併用した、柔らかい光が降り注ぐすっきりとした空間です。高級感と親しみやすさを兼ね備えたデザインを実現しています。
新宿追分クリニック
新宿の健診センターの事例です。患者にとって居心地がよく、スタッフが働きやすい環境を設計しています。天井と床はベージュ、カウンターやソファはダークブラウンでまとめ、絵画や植物を配置することで、ホテルエントランスのような雰囲気です。空間を広くとった、ゆったりできる受付となっています。
まとめ
クリニックの受付デザインは、患者が安心して待ち時間を過ごせるとともに、働くスタッフにとっても使い勝手のよいものでなくてはなりません。スタッフの意見を取り入れつつ、デザイン性の高い落ち着く受付にすることで、来院する患者にも快適な空間を提供できるでしょう。
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