クリニックの待合室を快適な空間にするには?方法やメリット・デメリットなど解説

ウェルネス |

クリニックの評価に影響を与える待合室は、患者さんにとって過ごしやすく、居心地良い空間であることが重要です。本記事では、クリニックの待合室を快適な空間にするための方法について、メリットやデメリットなどのポイントを交えながら詳しく解説します。クリニックの待合室の改善を検討している人、リニューアルに関心がある人は、ぜひ参考にしてください。

待合室でクリニックの評価は変わる?

待合室は、クリニックの顔です。待合室に対する印象でクリニックの評価は変わるといえるでしょう。それだけに、クリニックの評価に影響を与える待合室は、患者さんにとって長い時間過ごしても居心地よく、過ごしやすい環境にすることが重要です。

待合室が快適な空間でないと、患者さんはストレスを感じ、クリニックに再び行きたいとは思わなくなる恐れがあります。

待合室とは?

そもそも待合室とは、駅やバスターミナル、病院などで時間や順番がくるのを待つ部屋の総称です。クリニックでは、診察や施術をするまで、患者さんが待機して時間を過ごす際に利用される空間を指します。

場合によっては長い時間待つこともあるので、快適さ、過ごしやすさは待合室にとって重要な要素です。

クリニックの待合室を快適な空間にする方法

クリニックの待合室を快適な空間にするにはいくつかの方法があります。座席を適切な間隔を置いて配置する、採光を工夫して明るい空間にする、リラックスできるBGMを流すなどです。以上で挙げた内容も含めて、主な10の方法を解説します。

座席は適切な間隔を保つ

待合室には、適切な間隔を保ちつつ、さまざまなタイプの座席を配置することで、患者さんがリラックスできる空間を提供しましょう。

長時間座っても疲れにくいクッション性のある椅子や、プライバシーを確保できる個別の座席を用意すると、より快適性が増し、のんびり過ごせる空間となります。

来院者数に合わせて十分な数の座席を用意しつつ、座席の配置を工夫して過度な密集を避け、プライバシーを保つことも重要です。

明るい照明や自然光を取り入れる

待合室の日当たりが悪いとクリニック全体の雰囲気が重くなり、ただでさえ病気やケガで不安な患者さんの気持ちが下がりがちです。

明るい照明には、待合室の雰囲気を明るくし、患者さんの不安を軽減する効果があります。可能であれば自然光を取り入れることで、空間に開放感を与え、よりリラックスした雰囲気を作りだせます。光が強すぎる場合はブラインドやロールカーテンを取り入れて日差しを遮る工夫も大切です。

照明は調整可能なものを選び、時間帯や天候に応じて最適な明るさを提供することが望ましいやり方です。

常に清潔に整理整頓しておく

待合室は常に清潔で整理整頓されていることが重要です。清潔な環境は、患者さんに安心感を与え、クリニックの評価を高める要因となります。

クリニックは医療機関のため、清潔第一が基本です。病原菌やウイルスの除去はもちろん、ほこりや溜まったりゴミが放置されていたりしないよう、定期的な掃除と消毒を徹底します。ゴミ箱は常に空にし、雑誌ラックなどの備品も整理整頓を心がけ、雑然とした印象を与えないようにしましょう。

リラックスできるBGMを流す

待合室にリラックスできるBGMを流すことで、患者さんの緊張を和らげる効果が得られます。診察室や周囲の会話・雑音をカットする上でも有効です。

小鳥のさえずりや小川のせせらぎなどの自然音や、ゆったりしたジャズ、心地よいクラシック音楽など、落ち着いた雰囲気を演出する音楽を選ぶことがポイントです。音量は控えめに設定し、静かすぎず騒がしすぎないバランスを保つようにしましょう。

待ち時間を有効に使えるエンタメを設置する

雑誌や本、テレビ、タブレット端末など、待ち時間を有効に使えるエンターテインメントを提供することも、快適さを増す上で効果的です。気を紛らわせられる手段があれば、待ち時間のストレスを軽減することができます。

また、クリニックの情報や健康づくり、医療などに関する情報が掲載されたパンフレットを置いておくことで、手に取った患者さんが知識を蓄え、待ち時間を有意義に過ごせるよう工夫することも1つの手です。

無料Wi-Fiを提供する

患者さんの多くはスマートフォンを所持して来院します。院内で利用可能な無料Wi-Fiを提供することで、患者さんが手持ちのスマートフォンやタブレットを利用しやすくなります。

これにより、SNSや動画サイト、ニュースサイトなどを利用して待ち時間を快適に過ごすことができ、ストレスの軽減につながります。特に待ち時間が長くなる場合には効果的です。

Wi-Fiを提供する際は、利用方法は分かりやすい形で表示し、誰でも簡単に接続できるようにしておきましょう。

子ども向けの設備を置く

子ども連れで来院する患者さんのために、待合室に子ども向けの設備を設置することも重要です。特に小児科がある場合、キッズスペースは必須です。

おもちゃや絵本を置いたり、子ども向けのテレビ番組を流したりすることで、子どもが退屈しないように工夫しましょう。

また、遊び場は子どもたちがのびのび自由に動けつつも、例えばクッション性の高い床にする、段差をなくしてバリアフリーにするなど、安全性を考慮して設置するのが重要です。安全な環境なら、親御さんも安心して待ち時間を過ごすことができます。

ウォーターサーバーや自動販売機で飲み物を提供する

ウォーターサーバーや自動販売機で飲み物を提供することで、患者さんが待ち時間の間にリフレッシュできる環境を整えるのも1つの手です。

水やお茶、コーヒーなどの無料の飲み物は、患者さんにとってありがたいサービスです。特に、熱中症や脱水症を起こしやすい夏場は重宝されます。

ただし、提供する飲み物は衛生面に注意して管理する必要があります。近くに消毒液を置いておくなど、清潔に使用できるよう配慮しましょう。

アート作品や観葉植物を配置する

待合室にアート作品や植物を配置することで、空間に彩りを加え、リラックスした雰囲気を演出できます。

植物は空気を浄化し、患者さんのストレスを軽減する効果が期待できます。アート作品は、視覚的な楽しみを提供し、待ち時間をより快適なものにするうえで有用です。

植物は生き物なので、葉が干からびたり根腐れしたりしているとよい印象を持たれません。活き活きとした状態で目に移るよう、管理には気を付けましょう。

パーティションや仕切りを使うのも良い

パーティションや仕切りなどを使って、患者さんのプライバシーを確保することも重要です。

診察待ちや会計待ちの間、座席が他の患者さんと至近距離で差し向かいだったり、人が出入りする入口に面していたりすると落ち着いて過ごせません。パーティションや仕切りを活用してレイアウトを工夫すれば、他の患者さんからの視線を遮り、安心して過ごせる環境を作り出せます。

プライバシーの確保は、患者さんのクリニックに対する満足度を高める大きな要素となります。

クリニックの待合室を快適な空間にするメリット

クリニックの待合室を快適な空間にすることで、得られるメリットがいくつかあります。以下で詳しく解説します。

患者さんのストレスや不安を軽減する

快適な待合室は、患者さんのストレスや不安を軽減する効果があります。

心地よい環境で過ごすことで、診察を待つ時間にリラックスでき、診療に対する不安や緊張感が和らぎます。気を紛らわせられるエンターテイメントがあれば、待ち時間が長くても退屈せず、有意義に過ごせます。

新規患者の獲得に繋がる

快適な待合室は、患者さんにとってクリニックを再訪したくなる重要な要因の1つです。

居心地の良い空間で、待ち時間中も飽きることなく快適に過ごした経験は、クリニックに対して良い印象が残り、リピーターの増加につながります。

さらに、友人や家族に紹介したりすることで口コミ効果が得られ、新規患者の獲得にも寄与するでしょう。

クリニック全体のサービス品質が向上する

快適な待合室は患者さんのストレスや不満軽減につながるため、スタッフに寄せられる質問やクレームの件数が減少する効果も期待できます。

患者さんからの問い合わせが減れば、スタッフは本来の業務に集中でき、効率的に仕事を進められるようになります。結果として、クリニック全体のサービス品質が向上し、患者さんへの対応がよりスムーズになるので、さらなる満足度の向上につながっていくでしょう。

クリニックの待合室を快適な空間にするデメリット

クリニックの待合室を快適な空間にするうえで、コストがかかる点や十分なスペースが得られない可能性がある点は、デメリットといえるでしょう。それぞれについて、以下で解説します。

コストがかかる

快適な待合室を作るためには、インテリアの改善や新たな設備の導入への初期投資が必要です。

高品質の家具やリラックスできる照明、BGMシステムの導入、アート作品や植物の設置などにはそれなりにコストがかかります。

また、清潔で快適な空間を維持するための定期的な清掃やメンテナンス、備品の補充など、維持コストが発生する点も覚えておきましょう。

スペースが足りない場合がある

クリニックの待合室のスペースには限りがあるので、すべての患者さんが快適に過ごせるような空間を提供するのは難しい場合があります。例えばプライバシー重視で座席に適度な間隔を空けた結果、キッズスペースが十分に確保できない可能性があります。

特に都市部のクリニックではスペースが限られている分、快適さと効率性のバランスをいかに保てるかが課題です。

まとめ

クリニックの待合室は、適度な間隔を置いた座席配置や、明るい照明・自然光の取り入れ、清掃や整理整頓の徹底など、さまざまな工夫で快適かつ過ごしやすい空間に改善されます。待合室で過ごす時間が快適で有意義になれば患者さんの満足度も増し、リピーターや新規患者獲得、サービス品質の向上などといった効果が期待できるでしょう。

クリニックを含め、よりよい空間づくりのアイデアを求めている場合は、ぜひ丹青社までご相談ください。施設の調査・企画・設計・施工・運営管理に至る幅広い分野で事業展開を行っている総合力で、皆様の課題解決をサポートいたします。

この記事を書いた人

株式会社丹青社

「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。

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