マグネットスペースのメリットとは?導入時のポイントや事例も解説

ワークプレイス |

マグネットスペースとは、オフィスにおいて自然と人が集まってくるスポットで、従業員同士の交流を促し、アイデア創出やコミュニケーションの活性化を支援する空間のことです。この記事では、マグネットスペースの概要から、設置による効果やメリット・デメリット、導入時のポイント、成功事例を詳しく解説します。職場の生産性向上や働きやすい環境づくりに役立つヒントとしてご活用ください。

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マグネットスペースとは?

マグネットスペースとは、いつの間にか人が集まり、従業員同士の交流を促すオフィス空間のことです。決まった時間に集まるのではなく、休憩や用事のついでに立ち寄ることで自然なコミュニケーションが生まれる点が特徴です。

マグネットスペースの導入により、部署を超えた交流が活発になり、職場全体の活気が向上します。働きやすい環境づくりに貢献するので、導入する企業も増加しています。コピー機周辺や給湯室、喫煙室、リフレッシュスペース、デッドスペースを活用して手軽に設置可能なところも魅力です。

マグネットスペースの主な目的

マグネットスペースの主な目的は、従業員同士のコミュニケーションを活性化させることです。出社時に自然な出会いや交流を促し、情報共有やアイデア創出につなげる役割を果たします。

また、リラックスできる環境を提供することで、ストレス軽減やモチベーション向上の効果も期待できます。さらに、用途の幅が広く、自動販売機やコーヒーサーバーを設置すればカフェスペースやリフレッシュスペースとして活用可能です。予約不要の会議室としても使えるので、ちょっとした打ち合わせや商談にも便利です。

マグネットスペースを導入するメリット

ここからは、企業内にマグネットスペースを設置するメリットを3つにまとめて解説するので参考にしてください。

従業員同士のコミュニケーション活性化

マグネットスペースを導入する最大のメリットは、従業員同士の交流が活性化することです。リモートワークも増えるなか、会議室よりもオープンでリラックスした雰囲気のため、打ち合わせや意見交換がしやすくなるでしょう。

他部署との接点が増え、営業先の紹介や新たなコラボレーションが生まれるきっかけにもなります。また、異なる役職や部門の従業員が利用することで偶発的な会話が生まれ、業務の枠を超えた交流が自然と発生するでしょう。結果として、従業員同士の隔たりが解消され、より活気のある職場環境の実現につながります。

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従業員のモチベーションアップとストレス軽減

マグネットスペースを導入すれば、従業員のモチベーションアップやストレス軽減が期待できます。リラックスできる空間でコーヒーを飲んだり雑談をしたりすることで、気分転換やストレス発散にもなるでしょう。

また、他部署との交流が刺激となり、仕事へのモチベーションが高まる効果も期待できます。普段関わらない職種の人と偶発的に出会うことで視野が広がり、新たな気づきが得られることも魅力です。結果として、情報交換や相談が活発になり、生産性向上や新しいアイデアの創出にもつながるでしょう。

企業のブランドイメージ向上

マグネットスペースの導入は、企業のブランドイメージ向上効果も見込めます。働きやすい環境を求める求職者に好印象を与え、優秀な人材の採用や定着を促す効果があるでしょう。また、ブランディング活動の一環として、企業のブランド価値を高めることで求人応募者数の増加にも貢献します。

特に、おしゃれなカフェのような洗練されたスペースを整備し、企業Webサイトや採用ページでアピールすれば、採用活動において競争力を強化できます。近年は働きやすい環境を重視する求職者が増えており、オフィス環境の充実は企業の魅力を高める重要なポイントです。

マグネットスペースを導入するデメリット

次に、マグネットスペースを企業内に導入するにあたって踏まえておくべきデメリットも2点解説します。

管理に手間がかかる可能性がある

マグネットスペースを導入する際のデメリットのひとつは、管理の手間がかかることです。

例えば、カフェスペースではコーヒー豆の補充や機器のメンテナンスが必要になり、コピーコーナーでは用紙やトナーの補充、備品の発注など維持管理が求められます。特に、カフェスペースは衛生管理を怠ると不衛生になり、異臭の原因になることもあるので注意が必要です。

これらの問題を防ぐには、事前に適切な管理ルールを策定し、効率的な運用を行うことが大切です。従業員の負担を軽減するために、専門業者に管理やサービス提供を委託する方法もあります。ただし、外部業者を利用する場合は、提供されるサービス内容や費用が異なるため、事前に十分な確認が必要になるでしょう。

情報漏洩に注意する必要がある

マグネットスペースを導入する際には、情報漏洩のリスクに注意が必要です。オープンな空間のため、機密情報を含む会話が他の従業員や来訪者に聞かれる可能性があります。情報漏洩のリスクを防ぐためには、「機密情報を含む会話は禁止」といった運用ルールを事前に策定し、従業員に徹底することが重要です。

また、情報保護の観点から、スペースの配置場所は慎重に検討する必要があります。加えて、ルールを明確にし、掲示するなどの対策を講じれば、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられるでしょう。

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マグネットスペースを導入する際のポイント

実際にマグネットスペースを設置する際におさえておきたいポイントを2点解説します。

オフィス内のどこに導入するか

マグネットスペースを導入する際は、オフィス内の適切な場所を慎重に選びましょう。従業員が自然と集まりやすい導線上に設置すると、交流が活性化しやすくなります。

ただし、業務の妨げにならないよう、各デスクから少し離れた位置に配置することが望ましいです。また、情報漏洩を防ぐため、来客が多いエリアや来訪者の動線上は避け、社内の従業員が安心して利用できるスポットに設置することがポイントです。

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どのような設備にするか

マグネットスペースを導入する際は、目的に応じた設備や家具を整えることもポイントです。リラックススペースならソファーや観葉植物、打ち合わせ向けならスタンディングテーブル、クリエイティブな発想を促す場ならカラフルな内装やボードを設置するなど、用途に合わせて選定しましょう。

また、空間のイメージに合った配色を取り入れると、より快適な雰囲気を作れます。社内掲示物や新聞・雑誌、自動販売機を設置し、自然と従業員が足を運ぶ仕掛けを作ることもよい方法です。

マグネットスぺース設置に参考になるオフィス事例

丹青社が関わったオフィスの各事例から、マグネットスペースの参考となるようなポイントや内装デザインの工夫を解説します。

やまやコミュニケーション 本社オフィス

福岡のやまやコミュニケーション本社オフィスでは、自然と人が集まり議論が活発になるよう、すり鉢型のプレゼンテーションスペースを導入しました。従業員同士の意見交換が促され、パフォーマンス向上につながる環境が整えられています。

また、壁面には本棚を設置し、知的交流の場としても機能するように設定しました。ソファエリアは靴を脱いでリラックスできる設計になっており、仕事や休憩の両方に適した空間を提供しています。働きやすさと創造性を両立したマグネットスペースの好例です。

やまやコミュニケーションズ 本社オフィス | 実績紹介 | 株式会社丹青社

MonotaRO 本社

2023年11月に大阪梅田のJPタワー大阪に移転したMonotaRO本社では、カフェテリアにバリエーション豊かなデスクを配置し、さまざまなシーンに対応できる空間を整えています。これにより、食事だけでなく、ちょっとした打ち合わせやリラックスにも活用可能となりました。

また、ラウンジエリアやフリーアドレスの執務エリアを多彩なデザインで配置し、働き方に応じて柔軟に選べる環境を実現しました。快適で開放的な空間が、マグネットスペースとしても機能し、従業員同士の交流や創造性の向上を促し、より働きやすいオフィス環境を提供しています。

MonotaRO 本社 | 実績紹介 | 株式会社丹青社

まとめ

働きやすい環境づくりに貢献するため、導入する企業が増えているマグネットスペースについて具体的なメリットや導入時のポイント、成功事例を解説しました。うまく導入し、良い空間が設置できれば、従業員の交流促進や仕事のパフォーマンス向上、ブランディング活動の一環として採用・定着への効果も見込めます。

丹青社は、多様な業界の空間づくりで培ったノウハウを活かし、柔軟かつ的確なオフィス空間をご提案します。現在のオフィスに課題を持つ方は、ぜひ丹青社へご相談ください。


この記事を書いた人

株式会社丹青社

「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。

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