ホテルコンセプトの種類や差をつけるコツ!テーマ別に事例を紹介

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インバウンドの影響もあり、宿泊施設の数が増えています。どのように個性を打ち出していけばよいかなど、頭を悩ませるホテルも多いでしょう。近年ホテル業界では、さまざまなテーマを打ち出したコンセプトホテルが人気です。この記事では、コンセプトホテルが求められる理由や競合に差をつけるコツを解説し、具体的なホテルコンセプトの例もご紹介します。

コンセプトホテルとは?

コンセプトホテルとは、ホテル独自の個性、デザイン、特定のテーマを打ち出し、そこでしか体験できないサービスを提供するホテルです。個性やテーマには、食事、温泉、サービス、アクティビティなど多くの要素が含まれます。特定のユーザーに強いインパクトを残すため、SNSでも話題になります。

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コンセプトホテルが求められる理由

顧客はインターネットの検索、SNSなどのあらゆるメディアから情報を収集します。さまざまな情報や数あるホテルの中から選んでもらうには、ホテルの魅力がしっかり伝わるようにしておかなければなりません。

このエリアといえば「ここのホテル」というレベルにまで達すれば、確立したポジションを獲得できます。観光のついでに宿泊するのではなく、宿泊すること自体が目的になれば、競合との差別化を図れるでしょう。

コンセプトホテルとライフスタイルホテルの違い

コンセプトホテルと似たような存在に「ライフスタイルホテル」があります。ライフスタイルホテルとは、デザイン性の高さ、宿泊以外の付加価値を備えたホテルです。ライフスタイルホテルの運営には、高級ホテルチェーンが関わっている傾向にあります。

またライフスタイルホテルには、自宅以外にくつろげる「第三の場(サードプレイス)」としての役割や宿泊者同士の交流の場を提供する役割もあります。

ホテルコンセプトの作り方

ホテルは単なる宿泊施設という役割だけではなく、非日常感を味わえることが大切です。「どのような宿泊施設にしたいか」「どのようなホテルを目指すか」など、まずはホテル独自のコンセプトやテーマを作りましょう。

顧客側は「そこでしかできない体験」「どんな価値を提供してもらえるのか」などを期待しています。どのようなホテルなのかがイメージできるように、コンセプトはわかりやすい言葉にすると顧客に伝わりやすくなるでしょう。

ホテルのコンセプトで差をつけるコツ

ホテルのコンセプトで競合に差をつけるには、以下のようなコツがあります。

ターゲットを明確にする

ターゲットによってホテルのコンセプトや提示する価格は大きく異なります。例えば、男性か女性か、学生かファミリーか、カップルか友人グループか、日本人か海外からの旅行者かなど、メインターゲットを設定し、ターゲットを明確にすることが重要です。

今までにないコンセプトを提案する

いくら魅力的でも、ほかのホテルと同じようなコンセプトでは埋もれてしまう可能性もあるでしょう。ほかのホテルと差別化することで集客につながります。斬新なアイデアは、顧客の興味を引き、話題性を生み出します。

風土・気候・文化を大切にする

日本は四季がはっきりしており、地域ごとに季節に合った魅力があります。土地ならではの風土・気候・文化によって、知名度や観光スポットを押し出す、料理をアピールする、おしゃれさを演出するなどのコンセプトを決めましょう。

ブームに頼らず将来を見越したものにする

流行やブームに頼ると一時的な集客は見込めますが、流行やブームが去ってしまえば陳腐化してしまう危険性があります。10年先、20年先のスパンで考え、長く愛されるコンセプトを生み出すことが重要です。

自然をテーマとしたコンセプトホテル

ホテルのコンセプトには、自然や文化などさまざまなテーマがあります。まずは自然をテーマとしたコンセプトホテルの例を紹介します。

グランピングがコンセプトのホテル

近年、キャンプをはじめとするアウトドアブームが到来しました。アウトドア空間を楽しみながらもホテルの充実した設備や手軽さがある「グランピング」は2015年頃から定着し始めています。

グランピングがコンセプトのホテルは国内にいくつかあります。焚き火を眺めながら地産地消にこだわった食事をとることができる、オールインクルーシブで楽しめる、富士山と広大な葡萄畑を望めるなど、ホテルによってさまざまなコンセプトを生み出しており、SNSなどでも話題です。

氷がコンセプトのホテル

北海道には「氷のホテル」をコンセプトにしたホテルがあります。氷のベッドや露天風呂が楽しめるなど、氷に囲まれた幻想的な世界が体験できるホテルとして話題になっています。

釣りがコンセプトのホテル

山形県には、客室から釣りができるという斬新なコンセプトを打ち出しているホテルがあります。宿泊者は無料で道具をレンタルでき、ホテルからわざわざ足を運ばなくても存分に釣りが楽しめると好評です。

ゴルフがコンセプトのホテル

ゴルフ場併設のホテルも日本各地にあります。早朝から郊外のゴルフ場に向かうのが億劫という顧客のもどかしさを解消できるコンセプトが人気です。朝起きたらゴルフが楽しめる、ゴルフが終わったら食事を楽しんだり温泉を楽しんだりできるなど、プラスアルファの体験も魅力となっています。

文化をテーマとしたコンセプトホテル

アートや映画など、文化をテーマとしたコンセプトホテルも日本各地にあります。

アートがコンセプトのホテル

アーティストが内装を手掛けた部屋に泊まることができる、部屋全体がアート作品になっているなどのコンセプトホテルがあります。アートが好きな人は、日常を忘れて自分が好きな世界観のなかでリラックスできるでしょう。

映画がコンセプトのホテル

泊まれる映画館をコンセプトにしたホテルがあります。映画を見ながらテントスペースで寝ることができるという通常のホテルとは異なる宿泊体験が話題です。

本がコンセプトのホテル

泊まれる本屋をコンセプトにしたホテルは、時間を気にせず読書に没頭できることが話題となり、近年増えています。気に入った本は買い取りできるホテルもあります。宿泊と共に手にした本も思い出になるでしょう。

駅・鉄道がコンセプトのホテル

鉄道ファンをターゲットにしたコンセプトホテルも人気です。無人駅の駅舎に作った1日1組の貸切ホテル、窓の外から電車が眺められるホテル、シミュレーターで運転体験ができるホテルなど、ホテルごとにさまざまなコンセプトを打ち出しています。

日本文化をテーマとしたコンセプトホテル

日本文化をテーマとしたコンセプトホテルも国内外の観光客に人気です。昔の雰囲気や近未来などをコンセプトとしており、非日常感を味わえます。

寝殿造りがコンセプトのホテル

徳島県には平安時代にタイムスリップしたような寝殿造りのホテルがあります。平安王朝舞の鑑賞、平安装束の着付け体験など、全国でも類を見ないコンセプトのホテルです。歴史が好きな人や海外の人には貴重な経験になるでしょう。

古民家がコンセプトのホテル

古民家をフルリノベーションし、1棟貸ししているホテルがあります。歴史・文化を継承しつつ、社会問題となっている空き家問題を解消し、街の活気も取り戻せます。1棟貸しなので、周りの目を気にせず過ごせることも人気のポイントです。

ロボットがコンセプトのホテル

ロボットやホログラムが出迎えるホテルは世界的にも注目を集めています。最先端のテクノロジーを体感でき、最先端の感染症対策を行うことなどが話題となり、国内はもちろん海外からの観光客も後をたちません。

海外体験をテーマとしたコンセプトホテル

海外体験をテーマとしたコンセプトホテルもあります。日本に居ながらにして海外の文化が楽しめると好評です。

中世英国がコンセプトのホテル

スコットランドの地方に近い風土を生かし、「パスポートのいらない英国」をテーマに、中世英国の街の雰囲気を楽しめるホテルがあります。中世英国の建築様式で建てられており、部屋やインテリアは異なる時代設定になっているので、何度でも楽しめるでしょう。アフタヌーンティーや英語カルチャーレッスンなどの英国文化も体験できます。

モンゴルがコンセプトのホテル

モンゴル高原で遊牧民が使う「ゲル」に宿泊できるホテルがあります。ゲルへの宿泊に加え、家具をモンゴルから取り寄せている、モンゴルの食事が楽しめるなど、ホテルごとにさまざまなコンセプトを打ち出しています。

アラビアがコンセプトのホテル

日本に居ながら中東の雰囲気を味わえるコンセプトホテルがあります。エジプトやトルコから取り寄せたレンタルコスチュームに着替えられる、トルコランプ作りやポーセリンアートを体験できるなど、魅力として話題になっています。

フィンランドがコンセプトのホテル

北欧で大切にされている休息をテーマにしたホテルがあります。幸福度の高い時間を味わえるようにデザインされ、フィンランド式ロウリュウサウナを完備しています。フィンランドの雰囲気を味わいたい人にはもちろんのこと、サウナ好きの人にもおすすめです。

まとめ

近年はホテルの数も増え、競合とどのように差をつけていくかが課題となっています。コンセプトで差を付けたホテルも数多く登場し、話題を集めています。観光のついでに宿泊するという従来のスタイルから、コンセプトをしっかり持つことで宿泊自体が顧客の目的となるでしょう。

丹青社は、さまざまな施設の空間づくりをサポートしている企業です。多様な施設の調査、企画、設計、施工、運営管理に対応でき、幅広い分野で事業展開しています。多様な空間づくりを実現できる総合力を誇っており、企業のニーズやコンセプトに応じた提案が可能です。ホテルロビーの内装デザインも多く手がけているため、ぜひ相談してください。

この記事を書いた人

株式会社丹青社

「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。

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