ホテルの内装で意識するべきポイントは?内装に関する注意点や施工会社の選び方も解説

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ホテルにおいて、内装はイメージを左右する重要な部分です。内装のこだわりは、利用者の満足度を高めたり、リピーターを獲得したりするのにも役立ちます。この記事では、ホテルの内装で意識するべきポイントや、おすすめのアイテムについて解説します。ホテルの内装に関する注意点や、施工会社を選ぶ際のポイントなどにもまとめているので参考にしてください。

ホテルの内装で意識するべきポイント

ホテルの内装では、ゲストに最適なイメージを与えるために、以下の7つのポイントを意識しましょう。

快適性

ホテルの内装において重要なのは、利用者が快適に利用できるかどうかです。デザイナーや支配人の好みよりも、くつろげる環境をつくり上げることを目指しましょう。快適な空間を演出するためには、壁紙や家具などを筆頭に室内のすべてにおいて、色使いや素材の質感などを意識する必要があります。

非日常感

非日常感も、ホテルの内装における重要な要素です。非日常感を演出するには、生活感を排除することがポイントとなります。

たとえば、壁飾りや観葉植物を設置したり、一般家庭には置かないような珍しい家具を置いたりすると、非日常感が感じやすくなります。珍しい家具として挙げられるのは、ラウンジチェアやナイトテーブル、シャンデリアやレターデスクなどです。

統一感

ホテルの内装は統一感も意識するべきポイントです。ロビーから客室に至るまで、すべての空間につながりを感じられると、統一感を演出できます。統一感を実現するには、壁・床に用いる素材や色味、照明の色や照度など、細部にまでこだわることが大切です。異なる色合いのインテリアも、素材をそろえる、適切に組み合わせるといった方法で統一感を演出できます。

コンセプト

ホテルのコンセプトに沿った内装は、利用者がホテルに抱く印象を否定することがなく、好印象を持ってもらえるため効果的です。反対に、利用者がイメージしていたホテルに対する印象と、実際のコンセプトが乖離していると、不満を抱く要因になりかねないため注意しましょう。

コンセプトとして代表的なものは、ラグジュアリー、アンティーク調、シンプルモダン、和モダンなどです。目指すコンセプトに合わせて、壁紙や家具などを揃えたり、色味や照明の明るさなどを調整したりすると良いでしょう。

清潔感

ホテルは実際に清潔であることが前提ですが、内装を工夫して清潔感を演出することも大切です。物が多すぎると乱雑な印象になるほか、インテリアのデザインや色、素材などが奇抜過ぎると清潔感を損ないかねません。

万人受けするような落ち着いた色合いのインテリアを採用する、使い心地の良い物を用意するといったこともホテルにとっては必要です。

独自性

近隣に同じ価格帯・グレードのホテルが存在する場合、差別化できないと利用者の獲得が難しくなります。価格やサービス戦略などと同じく、内装デザインは差別化のポイントです。選ばれるホテルであるためには、インテリアのデザインを筆頭に、色味や素材などにもこだわり、そのホテルならではの独自性を演出することが重要です。

色づかい

色づかいは、内装の印象を左右する重要な要素です。インテリアの配色計画は、カラースキームと呼ばれます。カラースキームでは以下の3点を中心に、空間全体のイメージづくりをすることが求められます。

種類概要詳細
ベースカラー壁や天井など面積が広い部分に使う色。他の色と組み合わせやすい白やベージュが用いられる。
メインカラーインテリアの印象を左右する色。キャビネットやデスクといった大きな家具や、ベッドカバーが該当する。
アクセントカラー挿し色として用いる。鮮やかな色やインパクトのある柄物が採用されやすい。

ホテルの内装におすすめのアイテム

ホテルの内装には、以下のようなアイテムを利用すると印象度がアップします。

間接照明

間接照明は、照明の光源を隠しつつ、反射光で照度を確保するタイプの照明機器です。光源が見えるタイプに比べて、間接照明の光り方は柔らかい雰囲気になるため、落ち着いた空間を演出するのに役立ちます。

壁掛けテレビ

壁掛けテレビは、壁面装飾の一部として活用できます。そのため、床置きタイプのテレビよりも、空間のイメージやインテリアデザインを邪魔しにくいのが特徴です。また、窓が少ない客室では、空間に開放感をもたらす効果も期待できます。

ウォールミラー

鏡は空間全体に奥行きを出してくれるため、ホテルの内装としておすすめのアイテムです。とりわけ、ウォールミラーは壁に掛けられるタイプの鏡で、スペースを取らずに活用できるメリットがあります。

ディスペンサー

ディスペンサーとは、特定の物質を一定の量で分配または供給するための装置・容器のことです。ホテルにおけるディスペンサーには、液体ソープやシャンプーのボトルなどが該当します。ホテルでは、デザインとしてロゴを記したり、陶器製の物を用いたりすることが一般的です。

ディフューザー

ディフューザーとは、気体を拡散させる機能を持った装置のことです。ホテルの内装には、主にアロマディフューザーが用いられることが多いでしょう。匂いは人間の感情を刺激する要素であり、アロマで空間に香りをもたらすと、リラックスとともに非日常感を演出できます。

ホテルの内装に関する注意点

ホテルの内装には注意点もあります。内装を考える際は、以下の3点に留意するとよいでしょう。

利用者の立場で考える

ホテルの内装は、ホテル側ではなく、利用者の立場になって考えることが大切です。内装をデザインするにあたり、サービス提供者側の都合を優先してしまうと、利用者にとっての快適さや利便性が蔑ろにされかねません。

快適性が損なわれたことで利用者からの評判が悪くなると、リピーターや新規顧客を確保しづらくなり、やがて運営に悪影響が出るでしょう。提供者側の業務効率や生産性も維持しつつ、利用者が満足できるような内装を目指す意識が大切です。

予算の回収予定を明確にする

ホテルの内装工事を行う際は、工事にかける費用と、その費用を回収する予定を明確にしておくと効果的です。ホテルは一種の商業施設として、経営状態を健全に保ち、収益を得ることを目指します。金銭を管理するという意識を持ち、投資と回収のサイクルを回しましょう。

ブランドイメージを崩さない

ホテルの内装をリニューアルする場合、ブランドイメージを崩さないように注意する必要があります。内装は古いよりも新しい方が望ましいですが、ただ新しいだけでは改装の十分な効果を発揮できません。見た目や雰囲気がホテルのブランドやイメージに合致しない場合は、統一感が損なわれ、顧客離れなど逆効果につながることも懸念されます。

施工会社を選ぶ際のポイント

ホテル内装の施工会社を選ぶ際には、以下のようなポイントに気をつけましょう。

ホテル内装に関する知見がある

ホテルの内装は、専門性の高い知識や施工技術をもっている会社がおすすめです。たとえば、ホテルよりも、通常の住宅やテナント店舗に関する施工を得意とする会社もあります。事前の相談や打ち合わせなどの段階で、施工会社がホテルの内装について、どの程度得意としているかを判断しましょう。

ホテル内装の施工実績がある

ホテル内装に関する施工実績の程度は、施工会社に対する信頼度にも直結します。施工実績があれば、希望する内装に仕上げてもらえる可能性が高いだけでなく、過去の実績を参考にすれば打ち合わせが進めやすくなるのもメリットです。ホテル内装の設計から施工まですべて対応している実績があれば、その施工会社を優先して選ぶとよいでしょう。

相談に乗ってくれる

ホテル内装の施工業者は、相談に乗ってくれる業者がおすすめです。たとえば、内装に関するイメージはあっても、具体的な施工のスケジュールや予算との兼ね合いが分からないという場合に、過去の実績や知識を基にした適切なアドバイスが期待できます。問題が起きた際に相談しやすい施工会社であれば、適切な対処や解決につながりやすく安心です。

まとめ

ホテルの内装においては、宿泊客がホテルに抱いているイメージに沿い、清潔感を演出しながらも、ホテルのコンセプトや独自性を打ち出す必要があります。多くの要求を満たすデザインは難しく、できれば経験豊富な施工業者に相談しながら進められれば心強いでしょう。

株式会社丹青社では、数多くのホテルにおいてのプランニング、設計施工実績があります。調査・企画・設計から施工に至るまで、幅広くワンストップで対応できるため、いくつもの業者とやりとりをすることなく、理想のホテルづくりが実現可能です。ホテルの内装について不安がある、施工を考えているといった場合には、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

株式会社丹青社

「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。

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