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サステナブルデザインとは?成り立ちや従来の問題を解説
サステナビリティ |
サステナブルデザインとは、人間のライフスタイルにおいて、地球の環境を維持するための考え方です。サステナブルデザインに取り組む企業も増えており、注目を集めています。この記事ではサステナブルデザインの概要について説明します。サステナブルデザインの根拠についても解説するため、ぜひ役立ててください。
目次
そもそもサステナブルとは
サステナブル(Sustainable)とは、「維持できる」「持ちこたえる」という意味の言葉です。世界で注目されているサステナブルとは、人間、社会、地球環境の持続可能な発展を表しています。人間社会の文明や経済システムの持続可能性を示す言葉として、使用される文脈が増えています。いまの環境を維持して未来でも平和かつ豊かに暮らすためには、サステナブルの推進が不可欠です。
サステナブルデザインとは何か解説
サステナブルデザインとは、衣食住をはじめとするライフスタイルにおいて、地球の環境の維持に重きを置く考え方です。たとえば、住環境に関しては、地球環境に配慮した建材を使用して住宅を建てたり、省エネルギーに配慮して住宅を建てたりすることがあげられます。
サステナブルは世界的に注目されているため、サステナブルデザインもさまざまな分野で取り入れられています。
エコデザインとの違いを解説
サステナブルデザインに似た考え方としては、エコデザインもあります。エコデザインとは、地球に悪影響を与えないための製造や設計のことです。サステナブルデザインも地球への影響を重視しますが、対象としては製造や設計だけでなく経済や社会活動なども含んでいます。エコデザインと比較すると、サステナブルデザインはより広い範囲を対象としています。
サステナブルデザインの種類
サステナブルデザインには、種類があります。以下でそれぞれ解説します。
サステナブルデザインの種類1:食品・日用品
サステナブルデザインは、食品や日用品においても積極的に取り入れられています。たとえば、食品に関する問題として廃棄物の多さがあげられますが、サステナブルデザインの考え方に基づいて、廃食油や天かすのリサイクルなどが行われています。また、パッケージの軽量化や、繰り返し使用できる食品保存容器の販売なども増えてきました。
地域住民を巻き込んだ取り組みも多く、多くの人がサステナブルを意識できるよう工夫されています。
サステナブルデザインの種類2:建築
サステナブルデザインは、建築においてもさまざまな部分で取り入れられています。建築におけるサステナブルデザインは、長期的な使用が特に意識されています。たとえば、古材を再利用したり、リサイクル素材を使って修理したりするケースも多いです。また、エネルギーを効率的に使用できる省・創エネルギー住宅も、サステナブルデザインの一例だといえます。
サステナブルな商品によく使われる素材とは
サステナブルな商品に使用される素材としては、バイオマス素材、リサイクル素材、生分解性素材などがあります。以下でそれぞれ解説します。
サステナブルな素材1:バイオマス素材
バイオマスとは、生物を意味する「バイオ(bio)」と量を意味する「マス(mass)」を組み合わせてできた言葉です。バイオマス素材は、生物由来の資源の総称となっています。具体的には、木材、生ゴミ、家畜の排泄物などをもとにした素材です。大気中の二酸化炭素を増やさずに済むため、カーボンニュートラルの観点から注目を集めています。
サステナブルな素材2:リサイクル素材
リサイクル素材とは、一度使用したものを再び使用できるようにした素材です。たとえば、アルミ、ペットボトル、再生紙などの素材があります。リサイクルは以前から取り組まれているものの、サステナブルの観点から考えるとリサイクル率をさらに上げる必要があります。
サステナブルな素材3:生分解性素材
生分解性素材とは、微生物をはじめとする生物の作用により分解できる素材です。つまり、自然に土へ還る素材を意味します。たとえば、ウールや綿などの天然素材は、生分解性素材です。近年は生分解性のプラスチックに関する研究や開発が推進されており、今後の動向が注目されています。
サステナブルデザインの別の視点
サステナブルデザインは、別の視点からも注目を集めています。以下で詳しく解説します。
視点1:長期使用
サステナブルデザインを重視すると長期にわたって使用できるようになり、廃棄量の削減にもつながります。そのためには、耐用年数を上げたり、多少の不具合が生じても修理して、使い続けられるようにしたりする必要があります。
視点2:再利用
再利用とは、いわゆるリユースのことです。地球環境の維持に配慮したサステナブルデザインの製品は、リユースにも向いています。リユース市場は拡大しており、すでに多くの人に浸透しつつある状況です。単なる再利用ではなく、1つのものを複数人で長く使う仕組みもさまざまな分野で構築されています。
視点3:アップサイクル
アップサイクルとは、不要になったものを別の需要を満たすものとして再生することです。たとえば、フードロスで通常なら廃棄される食材がある場合、別の食品を作るために活用する方法があげられます。アップサイクルは企業だけでなく、家庭でも取り組めます。たとえば、使用済みの牛乳パックを洗って、小物入れを作って活用する方法はアップサイクルの一例です。
視点4:エシカル・フェアトレード
エシカルとは「倫理的な」という意味であり、人間の良心に基づく行動に関して使用されます。また、フェアトレードとは、商品が作られる過程を重視することです。商品の購入にあたって、エシカルやフェアトレードの視点をより多くの人が意識するようになれば、取引において発生しているさまざまな問題解決の一助となります。
視点5:シェアリング
シェアリングとは、1つのものを複数人でシェアして使用する方法です。今後は、個人が個人にものやサービスなどを提供する、シェアリングエコノミーの市場拡大にも期待が寄せられています。具体的には、自動車や空き家などのシェアリングです。シェアリングが一般的になると、サステナブルな社会の実現に貢献できます。
視点6:コラボレーション
1つの企業だけで実現できるサステナブルデザインには限界があるため、複数の企業によるコラボレーションに注目が集まりつつあります。各社の得意分野を融合すれば、サステナブルデザインの可能性をさらに広げられます。
従来のデザインにおける問題点とは
従来のデザインは、環境に悪影響を及ぼす可能性があります。日本では高度経済成長期の後、大量消費社会を迎えました。しかし、使いきれないものがあふれ、大量廃棄の問題も生じました。大量廃棄は地球環境や労働環境などに悪影響をもたらします。
そのような問題を解決する手段の1つとして、サステナブルデザインが注目されています。サステナブルデザインがさらに浸透すれば、今後も暮らしやすい環境を維持できるでしょう。
まとめ
サステナブルデザインは世界中で注目されており、多くの企業が取り組み始めています。サステナブルな素材としてはさまざまな種類があり、特徴もそれぞれ異なります。サステナブルとともに重視されている考え方も複数あるため、あわせて理解したうえで取り組むとより効果的です。
丹青社は、多様な施設の調査・企画・設計・施工・運営管理に至る、幅広い分野で事業展開しています。文化施設事業では専門のシンクタンクを備えており、シェアは業界No.1です。チェーンストア事業では、パイオニアとしての競争優位を築いています。空間づくりの課題についてぜひご相談ください。
この記事を書いた人
株式会社丹青社
「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。
この記事を書いた人
株式会社丹青社