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クリニックリフォームで重要なのは?診療科・場所別のポイントや内装事例も解説
ウェルネス |
クリニックの内装は、全体のイメージや集患に大きく関わります。この記事では、クリニックリフォームを行う際に考慮すべきポイントや注意点を、診療科・場所別にくわしく解説していきます。クリニックリフォームのスケジュールや内装事例についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
クリニックのリフォームとリノベーションの違いとは?
リフォームとは、老朽化した部分の修繕あるいは機能性やデザイン性を向上させることを指します。一方、リノベーションとは新しく生まれ変わらせて、現状よりも高い性能やデザインにすることです。
クリニックリフォームで意識する3つのポイント
クリニックリフォームを行う際は、以下の3つのポイントを意識するとスムーズに進みます。
リフォームの目的を明確にする
クリニックによって「イメージを一新したい」「老朽化したので新しくしたい」「差別化をはかりたい」など、さまざまな目的があるでしょう。まずはリフォームの目的を明確にすることが大切です。
目指すクリニック像を決めておく
目指すクリニック像は、クリニックの全体のイメージにもつながります。「先進医療を目指す」「リラックス空間を目指す」など、目指すクリニック像を決めておくと、リフォームの方向性も定まりやすくなるでしょう。
患者のニーズを意識する
待合室や診察室が患者の空間であることを意識することが大切です。プライバシーの確保、清潔感、明るさなど、患者のニーズを把握し、安心感を得られる環境であることを重視しましょう。
クリニックリフォームで重要なことは?
クリニックリフォームの際に意識しておきたい8つのポイントについて解説します。
診療科のイメージ
診療科によって患者の層が異なります。小児科の場合は子どもが安心できるようにする、眼科の場合はバリアフリー化するなど、患者層を意識した設計やデザインをイメージしましょう。
部屋に合わせた設計やデザイン
同じクリニック内でも、待合室や処置室など各部屋によって細かく設計やデザインを行います。各部屋のイメージが大きくかけ離れないように、デザインやコンセプトを合わせることも大切です。
スタッフの作業効率
散らかりやすい場所には収納スペースを設けるなど、スタッフの作業効率を意識した設計やデザインにしましょう。また、スタッフルームを広くするなど、従業員のモチベーションアップにつながる工夫も大切です。
動線・動きやすさ
見た目だけではなく、動きやすさにも配慮します。バリアフリー化は基本として、手すりの形状や引き戸・開き戸などのドアの形状にも気を配り、スタッフや患者の安全を確保することが大切です。また動線は、従業員の動線と患者の動線を分け、互いがスムーズに移動できるように設計しましょう。
安心感・居心地の良さ
クリニックを訪れる患者は、不安やストレスを感じやすい状態にあるため、待ち時間が長いとイライラすることもあります。安心感や居心地の良さを与えるような設計や什器を準備するとよいでしょう。
清潔感・衛生状態
壁材や床材を抗菌仕様にする、換気のために空気が循環しやすい設計にするなど、清潔な衛生状態を保てるようにすることも重要です。見た目にも清潔感がある色遣いやデザインを意識しましょう。
プライバシー
診察室の防音設計が甘いと、診察中の会話が待合室にまで聞こえてしまうことがあります。プライバシーに配慮するためには、待合室の椅子の配置を工夫したり院内にリラックスできる音楽を流したりするのも効果的です。
テクノロジー
紙カルテの保管にスペースをとられる場合は、電子カルテを導入するなどテクノロジーの導入を検討するのもおすすめです。リフォームと合わせて、より効率的になるように計画しましょう。
クリニックリフォームの診療科別ポイント
クリニックリフォームのポイントは診療科により異なります。例として8つの診療科別のポイントを解説します。
内科
患者数が多い内科は、待合室や診察室に快適な環境を提供し、患者のプライバシーを重視することがポイントです。待合室のスペース、壁材・床材、換気設備などの感染対策の徹底も求められます。
小児科
子どもが安心できるような色使いやキャラクターを使用するなど、安心感を与える設計・デザインがポイントです。患者と付き添いの保護者など人数が多くなるため、待合室を広くしてイスは多めに用意しましょう。
婦人科・産婦人科
女性が安心して受診できる環境を整えましょう。トイレやパウダールームを充実させ、待合室はリラックスできる環境が理想的です。出産で入院する病室は、高級感があると喜ばれます。
整形外科
けがをした患者も多いため、部屋の広さや従業員と患者の動線、電気配線などに十分な配慮が必要です。また、待ち時間が体の負担にならないよう、待合室の快適性も重視しましょう。
眼科
視界の安全に配慮することが重要です。バリアフリー化や手すりの設置など、患者のつまずきや転倒を防止できる設計を十分に検討する必要があります。待合室やトイレなどのスペースも十分に確保しましょう。
歯科
清潔感を重視したデザインや衛生対策を行います。患者のプライバシーに配慮し、患者とスタッフの動線を分けたり、隣の席とパーテーションで仕切ったりする方法が一般的です。機械の音にも配慮し、防音壁や防音扉を採用するとよいでしょう。
耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科は患者が多く、待ち時間が長くなる傾向があります。待ち時間を短くするために医療機器を十分に設置したり、待ち時間が長くてもストレスを感じさせない内装にしたりするのがおすすめです。
動物病院
動物病院では、犬や猫など動物ごとのエリア分けをし、滑りづらい床材を採用しましょう。動物の移動がしやすいように、スロープを設置するなどの工夫も大切です。
クリニックリフォームの場所別ポイント
クリニックリフォームは診療科によって重要なポイントが異なりますが、場所によっても配慮すべきポイントは異なります。
受付やエントランス
受付やエントランスはクリニックのイメージを左右します。煩雑な印象を与えたくない、シンプルに見せたいなどの場合は、診療予約システムを導入してすっきり見せるのがポイントです。高齢者や車椅子の患者が多い場合は、受付の高さを低めにしてバリアフリーを心がけましょう。
患者用トイレ
開閉時に扉が人にぶつかることを避けるためにも、基本的には引き戸のデザインを採用します。清潔感や遮音性の高さの配慮も必要です。尿検査にも利用する場合は、検尿台の位置も工夫しましょう。
診察室やスタッフルーム
患者に圧迫感を与えないため、スタッフが快適に過ごすためにも、十分な広さを確保しましょう。また、診察室からスタッフルームへ直接移動できるようにすると動線がスムーズになり、患者に慌ただしい印象を与えずに済みます。
クリニックリフォームの注意点
クリニックリフォームを検討する際は、以下のようなポイントに注意しましょう。
スタッフの意見も取り入れる
リフォームの計画を立てる際は、現場の医師や看護師、事務スタッフなどの意見を取り入れることが重要です。日々の業務経験から得られる実践的なアドバイスは、より良いアイデアが生まれやすくなります。
地域社会と調和したデザインを心がける
地域に根差したクリニックにするためには、その地域と良好な関係を築くことも重要です。奇抜なデザインにしない、環境に馴染んでいるなど、地元の景観や環境に配慮したデザインを心がけることも必要になります。
クリニックリフォームのスケジュール
クリニックリフォームを実施する場合は、以下のようにスケジュールにも配慮しましょう。
クリニックリフォームの期間
クリニックリフォームはリフォームする場所にもよりますが、数日で済むものもあれば6か月以上かかるケースもあります。新たな医療機器を導入する場合は、導入計画を早めに共有しておくと調整がしやすくなり、スケジュールが立てやすくなります。
リフォーム中の診療
クリニックリフォームが数日で済む場合は、クリニック・患者共に休診日が少ないように配慮しましょう。リフォームの期間が長くなる場合は、夏休みやゴールデンウィークなどの長期休暇中に工事をするか、2期に分けて長期休診とならないようにする方法もあります。
クリニックリフォームの参考になる内装事例
ここからは実際にクリニックリフォームを行った内装事例を3件紹介します。
リラックスして過ごせる「こころとからだの元氣プラザ」の事例
人間ドック・健康診断を通じた医療サービス施設です。ゾーンごとにテーマカラーを設定し、分かりやすく利用しやすい施設を実現しました。患者を出迎えるレセプション空間は、自然を感じられる心地良い場を創出しています。
男女別の受診エリアを採用した「ミッドタウンクリニック名駅」の事例
外来クリニックを併設した健康診断・人間ドック施設です。一部を除き、待合室から検査までを男女別にエリア分けし、ストレスなく受診できるように配慮しました。各エリアを大きな引き戸で構成し、その日のニーズにあわせて調整できるような工夫もされています。
女性にやさしい「新宿追分クリニック・レディース」の事例
新宿にある健診センターです。女性受診者の増加に伴い、女性専用フロアを新たに開設しました。リラックスできる光環境をテーマに、パウダールームやカフェスタイルのラウンジも用意し、女性にやさしいクリニックを実現しています。
まとめ
クリニックリフォームのポイントや重視すべき点を解説しました。クリニックリフォームを検討する際は、診療科・場所別などの細かいポイントにも配慮することが大切です。実際の内装事例もぜひ参考にしてください。
丹青社では、多様な施設の調査から、企画・設計・施工・運営管理に至るまで、幅広い分野で事業展開を行っています。チェーンストア事業はパイオニアとして競争優位を築いており、文化施設事業においては専門のシンクタンクを備え、業界No.1のシェアです。ぜひ、クリニックリフォームにも役立つ資料をご活用ください。
この記事を書いた人
株式会社丹青社
「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。
この記事を書いた人
株式会社丹青社