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IT企業オフィスに適した空間デザインと選び方を解説
ワークプレイス |
IT企業のオフィスは、単なる仕事場ではなく、「戦略的な空間」へと進化しています。リモートワークの普及や働き方の多様化が急速に進むなか、企業にはより柔軟で快適、かつデザイン性と機能性を兼ね備えたオフィス環境が必要です。
本記事では、IT企業に必要とされるオフィスデザインのポイントから、実際のレイアウト事例・設備選び・物件選定の注意点まで、移転や改装を検討する企業が押さえておきたい内容を詳しく解説します。
働きやすく、選ばれるオフィスを実現するための参考になるため、最後までご覧ください。
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目次
IT企業オフィスに求められるポイント

現代のIT企業オフィスには、急速に変化する働き方のトレンドに適応しつつ、企業の個性を表現するデザイン性と、生産性を高める機能性の両立が求められています。
IT企業ならではのトレンドを重視
成長産業であるIT業界では、働き方に関するトレンドが目まぐるしく変化しています。特に注目されているのは、ICT(情報通信技術)を活用しオフィス以外の場所で働くテレワークやリモートワークの定着です。
座席を固定しないフリーアドレス、業務内容や気分に応じて働く場所と時間を自由に選べるABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)、クラウド化、ペーパーレス化などが求められています。
働きやすい空間をデザイン
デザイン面では、「企業の個性を表現するショーケース」と捉え、コーポレートカラーやロゴ、経営理念を内装に取り入れる企業が増加傾向です。また、オフィス内にソファ席のフリースペースやカフェのようなリフレッシュエリアを設け、コミュニケーションを促す工夫が重視されています。

生産性を高めるためのIT企業向けのオフィスレイアウト

IT企業において生産性を最大化するには、エンジニアやプログラマーが高い集中力を維持できるエリアと、活発な交流を生み出すエリアを明確に区別することが重要です。
「集中」をサポートするレイアウト
オフィス内には静かに作業できるゾーンの設置が不可欠です。具体的なレイアウトとしては、自席付近の雑音や人の往来に邪魔されないよう、防音個室や集中ブースを設けることが業務効率の向上に繋がります。
一般的な島型(対向式)レイアウトと異なり、集中力が必要な職種には、作業中に視線が合わない120°天板のブーメラン型やブース型の配置が向いています。また、集中を妨げる要素を排除するため、人が頻繁に後ろを通るような場所には座席を設けないよう工夫することも重要です。
「コミュニケーション」を促進するレイアウト
IT企業はチームでの業務が多く、問題発生時や作業が行き詰まった際にミーティングできるスペースの確保が必要不可欠です。また、フリーアドレス席・ラウンジエリア・共有カフェスペースなどのオープンスペースは、情報共有が生まれやすく業務効率の向上に繋がります。
会議室の予約や移動の手間を省くため、執務スペースの近くに簡易的な打ち合わせスペースを設けることも有効です。さらに、キャスター付きの移動式ホワイトボードやスタンディングテーブルを活用したスタンディングミーティングは、議論を活発化させ会議の時短にも役立ちます。
関連記事:オフィスレイアウトの基本やデスク配置パターンを解説【最新事例20選も紹介】

IT企業ならではのレイアウト失敗事例

生産性向上を目指すIT企業が陥りがちなレイアウトの失敗は、職種ごとの特性を考慮しない一律の環境導入です。例えば、集中力が必須なプログラマーやエンジニアに対し、営業職や事務職と同じく島型レイアウトを採用すると、周囲の話し声や電話の音が集中力を削ぎ、作業効率を著しく低下させます。
また、フリーアドレスやABWといった新しい働き方を導入しても、内装や家具が適していない場合、従業員の不便さから業務効率が落ち、最悪の場合、優秀な人材の離職に繋がる可能性もあるでしょう。
快適なIT企業オフィスを実現するための設備とアイテム

快適なオフィス環境は従業員の健康を守り、業務の生産性を高めます。ここでは快適なオフィス環境に必要な設備とアイテムを紹介します。
長時間労働に対応するデスクとチェア
長時間の座り姿勢は身体に大きな負担をかけるため、人間工学に基づいた高機能チェアを選ぶことがおすすめです。
また、プログラマーやエンジニアは、デュアルモニターやさまざまな機器を設置することが多いため、デスク幅は最低でも1,200mm程度の広い作業スペースが求められます。
ディスプレイの大きさは作業効率に直結するため、従業員の声を聴きながら、可能な限り大きめのデスクを用意しましょう。
高速かつ安定したITインフラ
IT企業にとって、システム開発やクラウド利用、オンライン会議などの業務基盤となる高速で安定したインターネット環境は、欠かすことのできない要件です。通信速度の遅延や接続の不安定さは、プロジェクトの進行を妨げ、顧客対応の機会損失に直結しかねません。
オフィスを選定する際は、大人数利用に耐えうる回線の帯域幅や回線トラブルに備えたバックアップ回線の有無を必ず確認しましょう。
最新テクノロジーの活用(ツール・オートメーション)
IT企業では最新技術に触れる機会が多いため、オフィスにも積極的にデジタルツールが導入されています。例えば、入退室管理システム・電子黒板・会議室予約システムなどが代表的です。
また、リモートワークが一般化する中で、オンライン会議に適した個別ブースや防音ルームの設置が進み、高品質マイクやAIノイズキャンセリング機能付きスピーカーフォンなど、Web会議の質を高める設備へのニーズも高まっています。
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IT企業のための物件選び・移転のポイント

IT企業がオフィスを移転する際は、立地の利便性と長期的な成長に対応できる契約条件やコストを総合的に判断し、最適な物件を選ぶことが重要です。
利便性を考慮した立地を選ぶ
アクセスのよい立地は、従業員の定着率や新規採用活動の成果に直結するため、非常に重要です。主要駅から徒歩圏内にある物件は、通勤ストレスを軽減するだけでなく、ブランド力にも影響します。
例えば、大阪駅周辺のように、新幹線や複数路線が利用できる立地は、出張が多い企業や県外からの来訪者に対応する拠点として魅力的です。また、渋谷のようにスタートアップやWeb系企業が多く集まるエリアは、若手人材の採用に有利という特徴もあります。
賃貸オフィス契約時に重要事項を入念に確認する
賃貸オフィスを契約する際は、業務特性に関わる「通信インフラ」や「セキュリティ要件」を事前に細かく確認しましょう。一般的なオフィス物件では、光回線・専用回線の引き込みの可否、サーバールーム設置の制限、セキュリティ工事の許可条件などが考慮されていないケースもあります。
そのため、契約後に大規模な工事が必要になったり、思わぬ追加費用が発生したりするリスクがあります。さらに、事業成長に伴う人員増加やレイアウト変更に対応できるかどうかも重要なポイントです。
初期費用を抑える選択肢を検討する
スタートアップや成長フェーズにあるIT企業にとって、初期費用を抑えることは重要です。現在は費用を抑える選択肢として、サブスクの活用が注目されています。例えば、オフィス家具を購入せずにサブスクを利用すれば、初期の購入費用が大幅に抑えられるでしょう。
また、移転や閉鎖時の原状回復工事にも返却が容易です。データ管理においても、クラウドサービスのサブスクを利用することで、高額なサーバールームの構築を避け、スペースと費用が節約でき、企業の成長に合わせて柔軟なスケールアップも可能となります。
IT企業のおしゃれなオフィス事例
IT企業のオフィスは、機能性とデザイン性を両立させながら、企業文化や独自性を表現した空間づくりが進んでいます。ここでは、そうした工夫が際立つおしゃれなオフィス事例を紹介します。
さくらインターネット株式会社
さくらインターネット株式会社のオフィスでは、サーバーラックをモチーフにした遊び心のあるエントランスや東京の街並みを一望できる眺望を取り入れ、開放的で心地よい空間が整えられています。
会議室には「桜時」「雪灯」など日本語の美しい名称を採用し、テーマに沿ったデザインで用途に合わせて使い分けられる環境を整備しています。植栽ワークショップでは従業員が協力してグリーンを配置し、訪れる方を自然と迎え入れる雰囲気が作られています。
株式会社ドリコム
株式会社ドリコムはフリーアドレス制で、リモートワークと併用しつつ、対話・集中作業・オープンミーティングなど自由な働き方が魅力です。カフェスペースではバリスタのコーヒーや軽食が楽しめ、リラックスや社内外交流の場として活用できます。
また、来客用のミーティングスペースはWEB会議に対応し、対面とオンラインを併用した打ち合わせが可能です。さらに、電話や機密性の高い打ち合わせに使える個室のテレブースも完備しています。
株式会社ソアー
株式会社ソアーのオフィスは、柔らかいグレージュ系の色味を基調としています。家具には自然素材のウッドを取り入れており、スタイリッシュでありながら温かみも感じられます。
働く内容に応じて自由に選べるフリーアドレスを採用し、目的に合わせてエリアを使い分けられるようにゾーニングを再構築しているのも特徴的です。フロア全体には人工グリーンを効果的に配置しており、視認性・快適性の向上だけでなく、業務効率や集中力を高める効果も期待できます。
株式会社ミクシィ
株式会社ミクシィでは、多様な働き方とコミュニケーションを促進するために、さまざまな機能的スペースが用意されています。エントランスはパートナーとの交流を生み出す象徴的な空間となっており、従業員が自由にアイデアを生み出せるコラボレーションスペースも整備しています。
社員食堂では温かい食事が楽しめ、執務エリアには昇降デスクやアーロンチェアを導入するなど、快適な作業環境を整備していることも特徴的です。
株式会社クレスコ・デジタルテクノロジーズ
株式会社クレスコ・デジタルテクノロジーズのオフィスでは、「仲間とのつながり」と「チームの最大パフォーマンス」をテーマに構築され、中心動線「Activation LINE」に交流を生む機能を集約しています。
多彩なワークスペースや世界を意識したデザインを取り入れ、働く楽しさと創造性を引き出す空間となっています。ワンフロア化により距離が縮まり会話も活発化していることも特徴です。眺望や設備も好評で出社率も向上し、従業員の士気が高まる新たな拠点となりました。
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まとめ
IT企業のオフィスづくりでは、集中とコミュニケーションのバランス、最新技術の活用、企業らしさを表現するデザイン性が欠かせません。
デザインと機能を両立させながら、企業の文化や価値観をオフィス空間に反映させることは、従業員の働きがいや採用力の向上にもつながります。働きやすさと企業らしさを両立したオフィスづくりこそ、これからのIT企業が選ばれる理由となるでしょう。
丹青社は、多様な業界の空間づくりで培ったノウハウを活かし、柔軟かつ的確なオフィス空間をご提案します。現在のオフィスに課題を持つ方は、ぜひ丹青社へご相談ください。

この記事を書いた人
株式会社丹青社
「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。
この記事を書いた人
株式会社丹青社
