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オフィスの床の役割や種類は?床材の選び方や配線をすっきりさせる方法を解説
ワークプレイス |
オフィスの床は部屋全体の印象を変えるため、仕事をするうえで大きな影響を与えます。近年は床材の種類・色・デザインが増えているので、オフィスの雰囲気に合ったものが選びやすくなりました。この記事では、オフィスの床の役割、選び方、注意点などを解説するので、オフィスレイアウトの参考にしてください。
目次
オフィスの床の役割とは?
オフィスの床には、以下のようにさまざまな役割があります。それぞれの特徴を解説します。
色
オフィスの床の色は、部屋全体の印象を大きく変えます。業務内容に合わせて色を選ぶと業務効率も変わるでしょう。暖色系は明るく活発な雰囲気、寒色系は落ち着きのある雰囲気などを演出できます。床の明度が高い場合は軽やかな印象になり、低い場合は重厚感が出るのも特徴です。
素材
オフィスでは床の素材によって、歩きやすさ、掃除のしやすさ、光の反射、音の反響などが変わります。使う場所によって目的に合わせた素材選びをするとよいでしょう。
デザイン
オフィスの床は、ゾーニング(区分すること)を意識するなど、エリアごとにデザインを変えるのもおすすめです。同じエリアでもゾーニングすれば、パーテーションなどを使わなくてもエリア分けができます。
オフィスで使われる床材の種類

オフィスで使われることが多い床材の種類を解説します。それぞれの特徴についても紹介するので床材を選ぶ際の参考にしてください。
タイルカーペット
オフィスで用いられる代表的な床材です。カーペット状で正方形にカットされています。タイルのように1枚ずつ隙間なく床に敷ける点が特徴です。音の反響が少ない、軽くて扱いやすい、汚れた部分だけを交換すればよいなどのメリットがあります。
天然素材
木や大理石など、天然の素材を生かした床材です。高級感を演出できる反面、メンテナンスの手間がかかりコストも高い傾向にあります。一般的には、レイアウト変更の影響が少ないエリアによく使われます。
ビニルタイプ
ポリ塩化ビニル製で、タイル型の「フロアタイル」とロール状の「フロアシート」があります。耐久性、クッション性があり、歩行が多い場所によく使われます。リーズナブルでデザインが豊富です。撥水性、耐薬・帯電防止など機能性に優れたものもあります。
ラグマット
近年は、オフィス空間を簡単かつおしゃれに演出できる手軽な方法としてラグマットが使用されることもあります。彩りのある優しい空間に仕上がるため、休憩室、応接室などにもよく使われます。
オフィスの床材の選び方

オフィスの床材を選ぶ際は、以下のような項目を意識して選ぶと失敗するリスクが低くなります。
コンセプト・目的
オフィス空間といっても、エントランス、来客スペース、執務スペース、会議室など場所によって使われる目的が異なります。コンセプトや目的に合わせて床の色や素材を変えると、メリハリがつきます。
関連記事:オフィスづくりにコンセプトが重要な理由とは?コンセプトの決め方や手順を解説
ゾーニング
目的や用途に応じて空間を区分けしたい場合は、床の色、素材、デザインを切り替えるゾーニングがおすすめです。ゾーニングをすれば、導線が明確になったり、リラックス空間を演出できたりします。
色
オフィスのイメージカラーを事前に決めてオフィスレイアウトに活用すると、統一感が生まれます。コーポレートカラーがない、あるいはイメージカラーが決まらない場合は、事業内容やオフィスに持たせたい印象で選ぶことがおすすめです。ゾーニング別に色を変えるのもよいでしょう。
機能性
オフィスの床材は、機能性で選ぶと変更後のストレスも少なくなります。配線が多い場所は作業しやすいタイルカーペット、汚れやすい場所はお手入れしやすいビニルタイプなどが向いています。耐久性はあるか、張り替えは簡単かなど、使用する場所や状況に応じたものを選びましょう。
掃除のしやすさ
床材を選ぶ際は、メンテナンス性を考慮することも重要です。人が頻繁に通る場所、汚れやすい場所などにメンテナンスが難しい床材を使用すると、掃除に時間や手間がかかってしまいます。
コスト
床材以外に施工のコストやメンテナンス費用が掛かることも考慮しておきましょう。天然素材は施工のコストやメンテナンス費用が高い傾向にあるため注意が必要です。
オフィスの床の配線をすっきりさせる方法

配線がすっきりしていなければ、清潔感が損なわれ断線リスクもあります。オフィスの床を変更する際は、配線をすっきりさせる方法も覚えておくとよいでしょう。
コードの数を減らす
ワイヤレスの機器を使用するなど、可能な限り配線を少なくすることがポイントです。無駄に余ったケーブルなどを短くして、配線を少なく見せるように意識するとすっきり見えます。
配線整理グッズを使う
スパイラルチューブや結束バンドなど、複数のコードをまとめるグッズを活用するのもおすすめです。見た目が改善するだけではなく、踏みつけによる断線も防止できます。
床をOAフロアに変える
OAフロアとは、OA機器などの配線類を床下に収納する二重構造になった床です。床上に配線が出ないため、レイアウト変更時にも配線が邪魔になりません。
オフィスの床を変更する際の確認事項

オフィスの床を変更する際は、以下のような点を確認しておくとスムーズに進みます。
オフィスが賃貸の場合は、オフィスの床を変更することが不可なケースがあります。施工が可能であっても接着剤で貼り付ける床材は許可しないなどのケースもあるので、まずはオーナーへの確認が必要です。
現物を確認できるか
オフィスの床材サンプルは、パソコン上やカタログ上で見る場合と実際の現物ではイメージが異なるケースがあります。サンプルの取り寄せが可能な場合は実際に取り寄せ、色柄や質感を確認することが重要です。
プロのアドバイスを受けられるか
プロに相談すれば、床の変更だけではなくオフィス全体のデザイン提案をしてもらえることもあります。自社では思いつかない斬新なアイデアを提供してもらえることもあるので、専門業者に任せるのもよいでしょう。
メンテナンス方法・頻度
メンテナンス方法・頻度は床材によって大きく異なります。掃除の負担率が大きく変わるので、掃除のタイミングや方法はコストも含めて事前に考えておきましょう。
工事期間・費用
工事期間は、床材の種類や対象の床面積で変わります。オフィス家具やOA機器の移動、配線の整理などの事前準備が必要になるため、準備期間も含めて検討しましょう。床材の単価だけではなく、施工費用、廃棄費用なども確認しておくと予想外の費用がかからず安心です。
オフィスの床を選ぶときの注意点

施工可能かどうか
オフィスの床を選ぶときは、以下のような点にも注意が必要です。想定外の失敗を出さないためにも事前に確認しておきましょう。
張り替えのしやすさ
レイアウト変更を今後も行う可能性がある場所は、張り替えが簡単にできるかを確認しておくことが大切です。レイアウトを今後も行いそうな場所によっては、張り替えや配線移動が簡単な素材を選んでおきましょう。
レイアウトのしやすさ
レイアウト変更の多いエリアは、張り替えが比較的簡単なタイルカーペットなどがおすすめです。接着剤を使用すると、レイアウト変更の際に対応しにくいため注意しましょう。
原状回復のしやすさ
賃貸物件のオフィスは、原状回復のしやすさを考慮することが重要です。原状回復工事にかかる手間やコストを削減できます。レイアウトのしやすさと同様、接着剤を使うと原状回復もしづらくなるので注意しましょう。
配線整理のしやすさ
配線が多い場所は配線整理のしやすさも考慮しておきましょう。天然素材やフロアシートなどは剥がす際に手間がかかりますが、タイルカーペットやフロアタイルなら一部を剥がせるので、配線と組み合わせやすくておすすめです。
オフィスの床の張替えをプロに依頼するメリット
建物の構造などで選べる床材は異なります。張替えだけなら自社でもできますが、内装の専門業者へ依頼するとさまざまなアドバイスを受けられます。特に、レイアウトにこだわりたい場合や床に対する悩みがあるときには、プロの意見が参考になるでしょう。
オフィスの床選びの参考になる企業事例
オフィスの床選びを行う際には、他社の事例を参考にするのもよいでしょう。以下はエリア別の企業事例です。
ゾーニングの例
やまやコミュニケーションズ様の本社オフィスの事例です。多様な働き方を実現できる執務エリア、グラフィックが印象的なリフレッシュエリアなど、家具や植栽のバリエーション、床の色や素材の切替によってエリアを特徴づけています。
やまやコミュニケーションズ 本社オフィス | 実績紹介 | 株式会社丹青社
ラグを活用した例
インテリジェンス ビジネスソリューションズ様の本社の事例です。クリエイティブスペースには、座席が用意され、目的に応じて好みの席が選べるようになっています。木目調の明るい床のアクセントやエリア分けの一環として、ソファの下にラグを敷いています。
インテリジェンス ビジネスソリューションズ 本社 | 実績紹介 | 株式会社丹青社
リラックス空間の例
MonotaRO様の本社の事例です。執務エリア内に木目調の家具と床を使用し、カフェのようなリラックス空間を作り出しました。オフィスに来たくなるような居心地のよさを演出しています。
まとめ
オフィスの床は印象を大きく左右するだけでなく、色や素材選びで従業員の業務効率も変わってきます。適切な床材を選ぶことで、オフィスの印象が向上し、オフィスの機能性や安全性の確保にもつながります。床の張替えを検討する際は、必要に応じて専門業者のアドバイスを受けるとよいでしょう。
丹青社は、多様な施設の調査・企画・設計・施工・運営管理など、空間づくりに関する幅広い分野において事業展開を行っています。文化施設事業においては、専門のシンクタンクを備えており、業界No.1のシェアを誇ります。オフィス環境の改善をご検討中でしたら、ぜひ弊社のお役立ち資料をご活用ください。
この記事を書いた人

株式会社丹青社
「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。

この記事を書いた人
株式会社丹青社