フォンブース導入の完全ガイド|メリット・デメリット、種類や導入手順を解説

ワークプレイス |

フォンブースをオフィスに設置することで、プライバシーを確保しながら電話やWeb会議などができます。この記事では、フォンブースの設置を考える企業の担当者に向けて、フォンブースの選び方や種類などを解説します。フォンブース選びの参考にしてください。

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フォンブースとは

フォンブースは、オフィスに設置できる独立した空間であり、電話やWeb会議、個人業務に利用できます。オープンスペースのなかに、気軽にプライベート空間を作り出せるため、従業員の集中力向上、プライバシーの確保が可能です。なお、フォンブースには1人用のものから少人数用まで、さまざまなサイズがあります。

フォンブースのタイプ

フォンブースのタイプは、個室設置型・家具型・内装工事型に分かれます。それぞれの特徴について解説します。

個室設置型

個室設置型は、電話ボックスのように、四方と天井がすべて囲まれたスペースです。防音機能に優れるため、周囲に話を聞かれたくないときや、雑音のない空間で集中して業務に取り組みたいときに適しています。個室を設置するだけでスペースが完了するため、大掛かりな工事は不要です。導入の際には、詳しい設置方法と性能、値段を確認しましょう。

家具型

家具型のフォンブースは、壁や床に固定せずに、家具のように置くタイプです。組み立てや設置に手間がかからず、個室設置型や内装工事型と比べて安価である点が特徴的です。固定せずに使用できるため、オフィスレイアウトの変更に対応できるというメリットがあります。

家具型は、手軽に個室空間を増やしたいときにおすすめです。ただし、個室設置型のフォンブースに比べて密閉度が劣るため、音漏れのリスクが生じます。

内装工事型

内装工事型のフォンブースは、設置に工事が必要であるものの、サイズやデザインなどを自由に決められるという特徴があります。必要なスペースにフォンブースを設置する以外に、会議室を分割して一部をフォンブースとして使うこともできます。ただし、コストは3つのなかで最も高く、設置後は簡単に移動できません。

フォンブースの種類

フォンブースの種類は、以下の3つに分けられます。オープン型・クローズ型・セミクローズ型それぞれの特徴について解説します。

オープン型

オープン型は、一面のみ開放されている構造のフォンブースです。容易に設置できて、価格も安価です。壁方面を向けば、外部からの視線が気にならないため、集中できる環境も確保できます。また、周囲からアクセスしやすく、コミュニケーションが取りやすいというメリットもあります。吸音素材を使用した製品を選べば、一定の防音性が確保できます。

クローズ型

床と壁、天井が完全に囲まれたタイプです。高い遮音性と防音性があるため、プライバシーを確保できます。機密性が高い会議や重要な通話、対面で行う少人数の会議やミーティングなどに適しています。ただし、消防法において居室と扱われる可能性があり、消防設備や火災警報スピーカーの設置が必要になる場合があるため、注意しましょう。消防法については後述します。

セミクローズ型

セミクローズ型は、オープン型とクローズ型の間に位置するフォンブースです。オープン型よりも優れた遮音性が確保できて、クローズ型よりも安価です。個人の業務やWeb会議などの日常的な業務には、ストレスなく利用できるでしょう。セミクローズ型もオープン型と同様に、吸音効果が高い素材を選ぶことで、一定の防音性が確保できます。

フォンブースの需要が高まっている背景

フォンブースの需要が高まった背景として、新型コロナウイルス感染症によるテレワークが落ち着き、オフィス回帰が進んだことが挙げられます。また、オフィス回帰の増加とともに、多様な働き方に対応できる環境づくりが求められるようになりました。従業員がオフィスワークかテレワークかを選択できる「ハイブリッドワーク」を導入する企業も増えています。

さらに、Web会議の増加も、フォンブースの需要が高まっている背景として挙げられます。防音性が高く、機密性に長けたフォンブースは、安心して電話やWeb会議ができるというメリットがあります。オフィスワークとテレワークのハイブリッドワークの増加に伴い、プライバシーに配慮したフォンブースは、今後も需要が高まっていくでしょう。

フォンブースを導入するメリット

フォンブースは、セキュリティ面や従業員の作業効率向上に役立ちます。ここでは、4つのメリットについて解説します。

セキュリティが向上する

フォンブースは遮音性が高いため、周囲に電話や会議の内容を聞かれる不安を解消できます。1on1ミーティングや人事面談などにおいては、会話の漏洩を防げます。とくに、完全個室タイプは防音性が高いため、情報漏洩の防止に有効です。機密文書や画面の内容を、周囲から見られる不安も解消できます。

周囲を気にせず仕事に集中できる

フォンブース内では、周囲の音がシャットアウトされるため、作業に集中できます。また、視界も遮断されるため、ほかの従業員を気にせずに、作業できる点もメリットです。一方、オープンスペースにいる従業員に関しても、電話やWeb会議の会話を聞かずに済み、集中力が妨げられません。

Web会議の音質がクリアになる

フォンブースでWeb会議をすると、オフィス内の雑音が相手に伝わりにくくなり、クリアな音質で会話ができます。オフィス内の背景や人の映り込みも防止できるため、会議に集中できるでしょう。何らかのトラブルにより、会話が漏れるリスクも軽減できます。

空きスペースを有効活用できる

コンパクトサイズのフォンブースなら、空きスペースを有効活用して、少人数の打ち合わせやWeb会議などに活用できます。また、必要な場所に簡単に設置できるため、レイアウトを変更する際も大掛かりな改装は必要ありません。

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フォンブースを導入するデメリット

フォンブースを導入する前に、デメリットについても把握しておきましょう。ここでは、2つのデメリットについて解説します。

導入コストがかかる

フォンブースは、大規模な工事が不要なタイプであっても、導入には数十万円単位のコストが必要です。フォンブースの設置に際してオフィスのレイアウトを変更する場合、そのコストもかかるでしょう。また、リース代や電気代、LAN設置費用といったランニングコストも加味しなければなりません。

導入する台数やフォンブースの種類によっては、コストが膨大になる可能性もあるため、事前に予算を決めておきましょう。

フォンブースを設置するスペースが必要

フォンブースの設置には、ある程度の空きスペースが必要であるため、賃貸オフィスの場合、十分なスペースを確保できないことが考えられます。オフィスの広さのほか、レイアウトによってもフォンブースを設置できない場合もあるでしょう。自社にフォンブースを設置するスペースがあるか、どのサイズまでのフォンブースを設置できるかといった確認が必要です。

フォンブースの選び方

自社のオフィスに導入するフォンブースは、種類やタイプ、自社の導入目的などを考慮して選びましょう。ここでは、3つの選び方について解説します。

活用の目的と合っているか

フォンブースの活用目的を明確にすることで、自社に適したものを選択できます。クローズ型のフォンブースは遮音性・防音性に長けているものの、目的によってはオーバースペックになり、費用対効果が見込めない可能性があります。また、デスクやチェアといったオフィス家具に比べるとサイズが大きく、設置費用もかかります。

導入しても十分に活用されなかったり、余計なコストをかけたりしないためにも、フォンブースを導入する前に目的を明確にしましょう。また、使用人数や使用頻度のシミュレーションも重要です。

完全個室か半個室か

フォンブースは形状によって、完全個室と半個室に分けられます。それぞれ、防音性能や設置にかかる費用、消防法の制限などが異なるため、自社に適した形状を選ぶ必要があります。また、どこまで囲まれているかによって、会話や音声のこもり具合にも差が生じます。会話のこもり具合が使用用途に影響しないかも確認しましょう。

Web会議に使用するかどうか

Web会議で使用する場合には、遮音性や吸音性が高いものを選びましょう。また、セキュリティ面にも気を付けなければなりません。Web会議では、個人情報や機密情報も取り扱うため、フォンブースには情報漏洩を防ぐ対策が必要です。

フォンブースを導入する手順

フォンブースを選ぶ際には、タイプ、設置スペース、運用ルールの順に検討しましょう。それぞれの段階で確認すべきポイントについて解説します。

1. フォンブースを導入する目的とタイプを決める

導入目的や使用人数などを考慮して、フォンブースのタイプを慎重に検討しましょう。1人用のコンパクトなブースと複数人が入れる大型のブースとでは、フォンブース内で利用するオフィス家具や必要な設置スペースが異なります。目的と使用人数を明確にして、自社のニーズに適したフォンブースを導入しましょう。

2. 設置スペースを決める

フォンブースは、オフィス内の動線を妨げない場所を選んで設置しましょう。また、電源やネットワークといった、Web会議や業務に必要なインフラが整っているかも、設置場所を選ぶために確認すべき条件です。

また、周囲が静かすぎる場合、フォンブースからの音が漏れて、フォンブース内の会話が目立つことが考えられます。状況に応じて、フォンブース専用のスペースを新たに設置しましょう。

3. 設置後の運用ルールを決める

フォンブースを設置した後、効果的に運用するためには、ルールを明確にすることが重要です。たとえば、以下のようなルールが挙げられます。

  • フォンブースの利用は1回2時間以内とする
  • フォンブースを利用する際は、事前にオンラインで予約を入れる
  • フォンブースの使用後は、利用者が簡単な拭き掃除をする
  • フォンブースの周辺では、通話や雑談をしない
  • フォンブースで食事をとらない

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フォンブース導入の注意点

フォンブースを導入する際に注意すべき点を3つに分けて解説します。

設置スペースはオープンスペースと距離をとる

フォンブースは、オフィス内でも人の往来が少ない場所に設置しましょう。とくに、従業員が自由に働く場所を選ぶフリーアドレスからは、距離をとることが重要です。会話が多い場所にフォンブースを設置すると、遮音性や集中力の向上、情報漏洩の防止などのメリットが得られなくなります。

運用ルールを周知・徹底する

フォンブースのおもな使用目的を明確にして、運用ルールを周知、徹底しましょう。運用ルールを定めることで、効果的な利用の促進や、目的外での利用防止につながります。ホワイトボードや掲示板などで、フォンブースの近くに運用ルールを提示するとよいでしょう。運用ルールは定期的に見直して、社内の状況やフォンブースの需要の変化などに応じて、柔軟に変えることが重要です。

消防法を遵守する

クローズ型のフォンブースは、消防法を遵守して設置しなければなりません。前述のように、クローズ型のフォンブースは、居室として扱われる可能性があります。その場合、スプリンクラーや火災警報スピーカー、火災報知機の設置が義務付けられるほか、消防法に基づく設置届出の申請も必要です。書類の申請や工事には時間がかかるため、余裕をもって導入を進めましょう。

まとめ

フォンブースは、オープン型、クローズ型、セミクローズ型に分かれ、それぞれ遮音性や価格、適した業務が異なります。導入の目的を明確にして、自社に合ったタイプを選びましょう。また、設置場所やサイズを決める際には、動線を考慮することも重要です。

丹青社は、多様な業界の空間づくりで培ったノウハウを活かし、柔軟かつ的確なオフィス空間をご提案します。現在のオフィスに課題を持つ方は、ぜひ丹青社へご相談ください。


この記事を書いた人

株式会社丹青社

「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。

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