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WELL認証で実現する快適な職場環境|プラチナ取得の流れやメリットなどを詳しく解説
ワークプレイス |
従業員が心身ともに安心して働ける環境づくりが重要視されるなか、WELL認証はオフィスの質を客観的に示す制度として注目されています。特に最高ランクである「プラチナ」は、健康や快適性を重視した空間整備に取り組む企業から関心が高まっています。 この記事では、プラチナ取得に向けた手順や確認すべき基準、導入によって期待できる効果や注意点までわかりやすく解説していきます。
目次
WELL認証とは健康的なオフィス環境を評価する制度のこと

WELL認証は、働く人の健康や快適性に配慮した空間であるかを体系的に評価する制度です。建物そのものの性能よりも、利用者の心身の状態にどれだけよい影響を与えられるかに焦点が置かれています。ここでは、WELL認証のおもな種類とランク、評価の観点、そしてLEEDやCASBEEと比較した特徴について解説します。
関連記事:WELL認証とは?|認証項目や取得のメリット、手順を解説
WELL認証の種類とランク(シルバー・ゴールド・プラチナ)
WELL認証には、建物単体を対象とする「V2」や組織全体を扱う「at scale」、街区を評価する「Community」などがあります。評価は必須項目と加点項目で構成され、取得点数によりシルバー、ゴールド、プラチナに分かれる仕組みです。プラチナは80点以上が必要で、全体の質が総合的に判断されます。
WELL認証の評価コンセプトとおもな評価項目
WELL認証における評価は「空気・水・光・運動・音・材料・こころ・コミュニティ」など10の観点で構成されています。PM2.5やCO₂の測定、光の質、温熱環境、食事の選択肢、休憩スペースの有無などが対象です。身体面と精神面の双方からオフィス環境の適切さを確認する仕組みです。
関連記事:WELL認証の評価項目を徹底解説|快適で健康的なオフィスをつくる10のコンセプト
LEED・CASBEEと比較したWELL認証の特徴
LEEDやCASBEEは、建物の省エネ性能や環境負荷の低減を評価する国際的・国内の建築物評価制度です。これらがおもに「建物が環境に与える影響」を指標化するのに対し、WELL認証は「働く人の健康と快適性」に焦点を当てている点が大きな違いです。
光・音・空気・温熱環境だけでなく、メンタル面への配慮など、人間中心の要素が多いことが特徴で、健康経営とも相性が良い制度です。職場環境の質を示す指標として活用されるケースが増えています。
関連記事:LEED認証とは?制度の概要や取得するメリットをわかりやすく解説
最高ランク「プラチナ」を取得するための基準と難易度
WELL認証のプラチナは、全ランクのなかでも最も高い評価で、80点以上の加点が求められます。審査は必須項目のクリアに加え、空気質や光環境、温熱、音の管理など多くの観点で高い基準を満たす必要があります。加点対象には、メンタルヘルス支援やコミュニティづくりへの取り組みも含まれ、設計と運用の両面でチェックされる仕組みです。
項目が幅広く、一部は測定で裏付けられるため、専門的な確認作業も欠かせません。プラチナ取得には総合的な改善が必要で、計画段階から細かな要件を把握して進める姿勢が重要になります。

WELL認証を取得する流れ

WELL認証は、登録から審査、現地評価、更新まで段階的に進める仕組みです。ここでは、各工程の詳細について解説します。
1. プロジェクト登録と事前準備
WELL認証の取得は、最初にIWBI(WELL認証を運営するアメリカの団体)へプロジェクト情報を登録するところから始まります。登録後は対象施設の状況を整理し、必須項目や加点項目の達成状況を確認します。図面や仕様の整理、必要な測定計画の準備もこの段階で進めておくことが重要です。
h3:2.書類審査と修正対応
事前準備を済ませたあとは、求められた書類をそろえてIWBIへ提出します。必須項目の根拠資料や設備の仕様、運用ルールなどを整え、評価に必要な内容を明確に示します。提出後は審査が行われ、不備があれば修正した上で再提出が必要です。ここでの確認作業が認証の土台となるため、丁寧な整備が欠かせません。
3. 現地評価と最終認証
書類審査を通過すると、専門スタッフによる現地評価が実施されます。室内の空気質、光環境、温熱や音の測定のほか、実際の運用状況も確認が行われます。評価には数日かかる場合があり、後日最終結果が通知される流れです。現地で指摘があった場合は対応が求められ、完了後に認証ランクが確定します。
4. 認証後の更新と継続的な改善
WELL認証は取得して終わりではなく、3年ごとに再認証を受ける必要があります。更新時には空気質データや設備の運用記録、アンケートなどを提出しなければなりません。継続的に評価項目を維持する体制が必要で、日々の管理や改善が品質を支える重要な要素になります。

オフィスのWELL認証を取得するメリット

WELL認証を取得すると、企業の信頼性を向上させるだけでなく健康的な職場環境づくりも可能です。ここでは、企業側と従業員側の双方に生まれる代表的なメリットについて解説します。
企業の信頼性向上とブランド価値の強化につながる
WELL認証は健康や快適性に配慮したオフィス作りを行っているという客観的な証明になります。環境配慮や働きやすさを重視する姿勢が社外にも伝わるため、企業の信頼性向上に寄与します。持続可能な取り組みとして評価されるだけでなく、ブランディングの強化も可能です。
従業員の健康増進と快適性向上を実現する
WELL認証の基準に沿って空気質や光環境を整えると、心身の負担が軽減されます。加えて、栄養や運動の観点からも働きやすさを見直せば、従業員がより健康的に過ごせる環境を整えることも可能です。快適性が高まると職場への満足度も安定し、働きやすさが自然と向上します。
働きやすい環境整備により採用力と生産性が高まる
働く場所を自由に選べるスペース設計や集中しやすい音環境の整備は、業務効率の向上に直結します。健康に配慮したオフィスは求職者にも魅力的に映るため、採用力を強化させることも可能です。働きやすい環境を整えた結果、生産性向上と離職リスクの低減が期待できます。
関連記事:WELL認証で高まるオフィスの価値|働きやすさと企業価値を両立する方法
オフィスのWELL認証を取得する際の注意点

WELL認証の取得には、一定の準備や運用体制が欠かせません。ここでは申請前に押さえておきたいおもな注意点を解説します。
評価基準が厳しく申請には専門知識が求められる
WELL認証は、空気質や光環境など多くの項目で細かな基準が設定されています。必須項目の要件を満たすためには、建築設備や健康に関する専門的な知識が欠かせません。書類づくりや実測も正確さが求められるため、社内だけで判断すると抜け漏れが起きやすいため注意が必要です。
ノウハウがない場合は、実績のある専門家や外部コンサルタントに早い段階から指示をもらうなどの対策が欠かせません。
設計変更や申請費用など取得コストがかかる
評価項目を満たすために、空調設備の見直しや採光計画の調整など設計変更が必要になるケースがあります。加えて、登録料や審査料などの関連費用も発生します。取り組み内容によっては想定以上のコストが発生する可能性があるため、計画段階で全体の予算を整理しておくことが大切です。
継続的な運用管理と改善体制の構築が必要になる
WELL認証は取得して終わりではなく、定期的な再取得が求められます。空気質や温熱環境の維持、利用状況のモニタリングなど、日々の運用管理が重要です。改善点が見つかった際に素早く対応できる体制を整えておくと、継続的に健康的なオフィス環境を保てます。
オフィスのWELL認証を取得するためのポイント

WELL認証では、働く人が心地よく過ごせる環境づくりが求められます。ここでは、評価項目に沿って押さえておきたい重要なポイントを解説します。
空調・換気と断熱性を高めて快適な温熱環境をつくる
快適な温熱環境を整えるには、空気の入れ替えと室温の安定が欠かせません。高性能フィルターを使った空調設備の導入や、窓に断熱フィルムを貼る方法が効果的です。換気計画を見直してCO₂濃度を一定に保つなど、日常的な管理も大切です。
自然光と照明デザインで明るく働きやすい空間にする
光環境を整えるには、自然光を適切に取り入れつつ時間帯に応じて照明を調整します。窓際に遮光ブラインドを設置したり、調光・調色機能の照明を使う方法が有効です。昼は明るい光で集中力を高め、夕方以降は柔らかい光に切り替えるなど、働くリズムに合わせた設計が求められます。
関連記事:オフィス照明の改善テクニックとは?交換メリットや照明選びのコツなどを徹底解説
防音対策やBGM設計で集中しやすい静かな環境を整える
騒音を抑えるには、間仕切りや吸音パネルを配置する対策が役立ちます。コピー機など音の出る機器は専用スペースへまとめるのが有効です。また、必要に応じてサウンドマスキングやBGMを流す方法も有効で、業務に応じた音環境を整えると集中しやすさが高まります。
関連記事:オフィスにBGMを導入するには?期待できる効果やメリット・注意点を解説
運動や休憩スペースを設けて心身のリフレッシュを促す
運動や休息の機会を作るには、立って作業できるデスクや移動の動線上に配置した利用しやすい階段などを設置するのが効果的です。カフェスペースや仮眠ルームをレイアウトし、気分転換できる場所を用意すると、働くペースを整えやすくなります。
関連記事:オフィスの休憩スペースの重要性とは?作り方のポイントや事例を解説
バイオフィリアとユニバーサルデザインで居心地のよさを高める
バイオフィリアを取り入れるには、観葉植物や木材仕上げ、自然光を感じられるレイアウトなど、自然とつながる要素を空間に組み込むことが効果的です。さらに自動ドア、広めの通路、段差をなくした動線などユニバーサルデザインを整えると、多様な利用者が安心して働けます。
関連記事:オフィスにグリーンを置くとストレス軽減?メリットや取り入れ方を解説

WELL認証プラチナを取得したオフィス事例
WELL認証のプラチナ取得事例を見ると、どのような設備や制度が評価されるのかを具体的に理解できます。他社の取り組みから学べるポイントも多く、自社のオフィス改善のヒントとして役立ちます。
ウェルネット札幌本社|メンタルヘルス施策が評価されプラチナ取得
ウェルネット札幌本社は、従業員の心とコミュニティに関する取り組みが高く評価され、プラチナを取得しました。メンタルヘルス支援や育児サポート、禁煙推進など働く人を支える制度が充実しており、こころ・コミュニティ分野では満点を獲得しています。
社内の自販機には高糖質飲料を置かず、成分表示を提示して選びやすくするなど、日常的に健康を意識できる工夫も特徴です。
参考:NEWS - WELLNET|DEPARTURE TO THE FUTURE
第一生命本社オフィス|バイオフィリア設計が評価されプラチナ取得
第一生命オフィスは、自然要素を取り入れたバイオフィリックデザインが評価され、プラチナを取得しました。執務室には観葉植物を配置し、リフレッシュスペースには自然光が差し込むよう設計されています。さらにフリーアドレスや交流スペースを設け、内階段で人が行きかう動線を作ることでコミュニケーションが活性化しました。
自然と触れ合える空間づくりは心理的な満足度を高めるため、オフィス改善の参考になります。
参考:国内金融機関で初となるWELL認証最高ランク「プラチナ」を取得|第一生命保険株式会社
point 0 marunouchi|日本国内のコワーキングスペースで初のプラチナ取得
協創/共創のためのコンソーシアム株式会社point0が運営するコワーキングスペース「point 0 marunouchi」は、「未来のオフィス空間」を実現していくためのコワーキングスペースであり、実証実験の場です。
point 0 marunouchiは、「WELL Building Standard™ v2 (以下、WELL認証)」の2024年10月に実施した更新審査の結果、日本国内のコワーキングスペースで初めて最高ランク「プラチナ」を取得しました。
2020年にWELL認証のゴールドランクを取得(※1)して以降初めてとなる今回の更新審査において、必須項目である「こころ」「コミュニティ」に関する取り組みで満点を取得したほか、加点項目である「イノベーション」について国内過去最多(※2)となる6項目の評価を得るなど、業界・領域を越えた企業が集結するpoint 0における協創/共創の成果がプラチナランクの取得につながりました。
参考:コワーキングスペース「 point 0 marunouchi」の WELL 認証 最高ランク「プラチナ」取得に、丹青社の取り組みが貢献しました
関連記事:WELL認証最高ランク「プラチナ」のオフィスが導入する3つのソリューション|コミュニケーションを生み出す仕掛けとは?
まとめ
WELL認証を目指す上で大切なのは、働く人が安心して過ごせる環境をどう整えるかを丁寧に見極める姿勢です。温熱環境や光、音といった要素はもちろん、メンタル面のケアやコミュニケーションの設計など、多角的に取り組むことで快適な職場へ近づきます。
丹青社は、多様な業界の空間づくりで培ったノウハウを活かし、柔軟かつ的確なオフィス空間をご提案します。現在のオフィスに課題を持つ方は、ぜひ丹青社へご相談ください。

この記事を書いた人
株式会社丹青社
「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。
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株式会社丹青社
