SHARE
SHARE
オフィスデザインとは|効果や注意点・業者の選び方・成功事例を解説
ワークプレイス |
オフィスデザインとは、企業のデザイン全般を指します。働く環境を設計・構築することで、コミュニケーションや業務効率の改善、ブランディングなどにもつなげられます。この記事では、オフィスデザインの効果や注意点などを解説します。業者の選び方や成功事例も解説するため、ぜひ参考にしてください。
資料「オフィスレイアウトの基本の教科書」を無料でダウンロードする
「働く場づくりに携わる方」へおすすめの資料 | |
---|---|
オフィスレイアウトの基本の教科書![]() | ▼この資料でわかること ・オフィスレイアウトの重要性 ・オフィスレイアウトにおけるデスクの基本配置 ・オフィスレイアウトを検討する前の3つの計画 ・オフィスのトレンド >無料でダウンロードする |
ウェルビーイングなオフィスのつくりかた![]() | ▼この資料でわかること ・ウェルビーイングなオフィスが注目されている背景 ・ウェルビーイングなオフィスづくりのアイデア ・ウェルビーイングを取り入れたオフィスの成功事例 >無料でダウンロードする |
Z世代の「働き方」に対する価値観とは?![]() | ▼この資料でわかること ・Z世代と「働き方やオフィス」に関する注目の定量調査/データ ・“3つのキーワード”で紐解くZ世代の「働き方やオフィス」に対する価値観 >無料でダウンロードする |
目次
オフィスデザインとは
オフィスデザインとは、働く環境をつくることです。たとえば、レイアウトやリニューアル、オフィス移転など、企業のデザインや設計の全般を指します。働く環境の構築によって、モチベーションや生産性、コミュニケーションの促進、従業員満足度などが向上します。
また、コンセプトや経営者のメッセージを伝えることも大事な役割です。企業のアイデンティティを表現する空間として、ブランディングやイノベーションの創造などにもつなげられます。

オフィスデザインの歴史

働く空間は、時代とともに移り変わっています。ここでは、世界と日本のオフィスデザインの歴史を解説します。
【世界】オフィスデザインの歴史
オフィスの歴史は、約300年前の産業革命です。本来、働く場所は雇用主の家が主流で、「家」と「仕事」が一体化しているものでした。現代のように、働く空間が分離しておらず、ワークライフのスタイルも確立されていません。産業革命後、人々が決まった場所で、決まった時間に働く概念が生まれたことで、オフィスがカテゴライズされたといわれています。
1729年、世界初のオフィスとして、貿易会社の専用ビルが建てられました。徐々にオフィスや工場などに労働者が集まり、業務が始まったとされています。1888年、アメリカで、鉄骨造による高層ビル「ルッカリー・ビル」が竣工しました。以後、現代の超高層ビルが主流の時代へと移り変わります。
【日本】オフィスデザインの歴史
1894年、東京丸の内にて、日本初のオフィス専用ビル「三菱一号館」が建設されました。1914年、東京駅の完成以降、ビルの建設が続きます。事業所の移転や新設が相次ぎ、駅周辺にオフィス街が形成されました。このように日本におけるオフィスの歴史がはじまったのは、約130年前となります。
1960年代から、島型の机配置を主流としたオフィス環境が続きます。1980年代には、インテリアをはじめとした、環境整備に意識が向きはじめました。1990年代以降、オフィスデザインが多様化し、レイアウトの変更やフリーアドレスなどが取り入れられます。2000年代〜2010年代は、コミュニケーションや創造性といった要素が重視され、オフィスデザインの役割が変化しています。

オフィスデザインの工夫によって得られる効果

オフィスデザインは、企業の活動全般に影響を与えます。ここでは、工夫によって得られる効果を解説します。
従業員のモチベーションアップが期待できる
働きやすい空間は、従業員のモチベーションを向上させる効果が期待できます。快適に過ごせる空間で働くことで、自身の能力を発揮しやすくなり、よい仕事につなげられます。たとえば、個別スペースを設置すると、集中できる空間ができ、業務への意欲を高めることが可能です。
また、リラックススペースの設置によって、業務のストレスも軽減できます。従業員満足度も高まり、チームワークや自主性の促進などにつなげられるでしょう。
コミュニケーションが活性化する
オフィスデザインの工夫によって、コミュニケーションが活性化しやすくなります。たとえば、フリースペースの設置やフリーアドレス、導線設計などです。さまざまな工夫によって、部署やチームの垣根を越えて、気軽にコミュニケーションが取れる空間をつくれるでしょう。立場の違う人とも交流でき、コミュニケーション能力の向上も期待できます。
昨今、業務が多角化するなか、従業員間の連携は重要です。他部署の状況を把握するためにも、コミュニケーションが取りやすい空間の必要性が高まっています。
生産性が向上する
従業員が快適に過ごせる環境では、集中力が高まり、仕事の効率が向上します。業務のスピードだけでなく正確性も上がるため、企業の生産性にもつなげられるでしょう。たとえば、部署やチームなどに応じて配置を変更すると、不要な移動を減らして効率を改善できます。
集中スペースやパーテーションなども生産性に影響しますが、コミュニケーションとのバランスの配慮が必要です。レイアウトを工夫し、必要に応じてコミュニケーションが取れるようにしましょう。
コンセプトや企業イメージを伝えられる
オフィスデザインは、企業のコンセプトやイメージを伝える効果もあります。コンセプトを反映した空間は、理念や社風といった魅力の発信が可能です。また、企業のメッセージとして、オフィスの安全性や企業のスタンスなどを伝えられるでしょう。顧客や営業担当が来社する際、実際に対面する際に企業イメージが伝わります。
働きやすい環境を構築し、企業のイメージの体現につなげることは大事です。従業員が高いモチベーションで働く様子が伝えられると、企業のブランディングにもつなげられます。
優秀な人材の獲得につなげられる
オフィス空間が充実すると、優秀な人材を獲得できます。社外からモチベーションの高い従業員が認知されることで、応募者の増加につながるためです。離職率も低下し、企業に優秀な人材が定着しやすくなるでしょう。魅力的なオフィスも、求職者の増加につながる大きな要因の1つです。
昨今、少子高齢化が進み、人材の獲得の難しさや定着率の低下が問題となっています。オフィスデザインを取り入れることが、1人でも多くの優秀な人材を獲得する手段の1つといえるでしょう。
オフィスレイアウトの種類
オフィスレイアウトには、さまざまな種類があります。ここでは、代表的なものを解説します。
対向型

対向型は、向かい合ったデスクのレイアウトです。別名「島型」とも呼ばれており、日本の企業に多い配置です。グループごとにデスクが集まるため、コミュニケーションが取りやすい特徴があります。上長をデスクが固まった島の端の席にし、全体を見渡せる配置にします。
対向型は、チームワークが重要な部署に適しています。ただし、他のグループや部署とコミュニケーションも取りづらくなり、協力が難しくなる点がデメリットです。
背面型

背面型は、後ろ向きにデスクを配置します。従業員が背中を向けて座るため、視線を気にせず仕事に集中できます。一定のプライバシーも確保できるため、細かい作業が多い職場に適しています。ただし、会話の頻度が下がり、コミュニケーションが取りづらくなる点に注意が必要です。
また、スペースを効率的に使えないため、レイアウトが不自由になる場合があります。オフィスのスペースに余裕がある場合、背面型を採用するとよいでしょう。
同行型

同行型は、同じ方向にデスクを配置するレイアウトです。別名「スクール型」とも呼ばれており、学校や塾のように同じ方向を向く席にするため、集中しやすい環境を構築できます。視線も重なりにくく、前方に注意が向きやすい点が特徴です。
同行型は迅速な顧客対応もできるため、コールセンターや金融機関などで採用されています。ただし、日常的なコミュニケーションには不向きです。従業員間で連携を取る業務にも適していません。
ブース型

ブース型は、デスクを区切るレイアウトです。パーテーションやパネルを使用して、集中できる空間を構築できます。たとえば、個人のワークやクリエイティブな作業、機密性の高い業務などに適しています。
ただし、コミュニケーションが取りづらくなるため、別のスペースを設けるとよいでしょう。たとえば、電話やオンライン会議用の「フォンブース」や、少人数の打ち合わせ用の「ミーティングブース」などです。個室を用意する必要があるため、スペースを考慮する必要があります。
卍型

卍型は、デスクを交差させて配置するものです。別名「クロス型」とも呼ばれており、座席や動線を十字型にすることで、集中しやすい環境を構築します。従業員同士の視線が重なりにくくなるため、個人のワークに適しています。ただし、コミュニケーションが取りづらく、情報の交換が困難な点に注意が必要です。
また、広いスペースが必要で、レイアウトも不自由です。従業員が自然に集まるスペースを構築し、コミュニケーションを促進する必要があります。
ブーメラン型

ブーメラン型は、120度〜135度の角度をもつデスクを配置するものです。3台のデスクの角度を工夫した配置によって、視線が合いにくい環境を構築できます。1人あたりの作業スペースを確保でき、作業に集中しやすくなります。軽い会話やチーム内での連携もできるため、自然なコミュニケーションを取れる点がメリットです。
ただし、スペース効率が悪い点には注意が必要です。ブーメラン型は専用の机も必要なため、コストや設計の配慮が求められます。
フリーアドレス型
フリーアドレス型は、固定の席が決まっていない方式です。業務に応じて席を変更でき、多様な働き方に対応しています。気分次第でも席を決められるため、部署の垣根を越えた柔軟なコミュニケーションが可能です。
オフィスのスペースも効率的に活用できるため、テレワークの対応も実現しやすい特徴があります。ただし、部下の管理が困難になる点がデメリットです。フリーアドレス型を採用する際は、業務に支障が出ないように運用方法の工夫が必要です。
関連記事:オフィスをフリーアドレスにする手順とは?基本から導入事例も
関連記事:オフィスレイアウトの基本やデスク配置パターンを解説【最新事例20選も紹介】
資料「オフィスレイアウトの基本の教科書」を無料でダウンロードする
【エリア別】オフィスデザインに成功するポイント

オフィスのエリアによって、必要なデザインは異なります。ここでは、エリア別の成功するポイントを解説します。
エントランス
エントランスは、企業の第一印象を与える場所です。来客を歓迎できるように、明るく開放的な雰囲気を演出することが大事です。利便性を高めるために、内線や案内用のタブレットも設置しましょう。ソファを設置し、対応の時間がかかる場合に備えることも必要です。
自社のロゴや製品、カタログ、ディスプレイなども、イメージを与えるために有効です。コンセプトやブランディングを考慮したうえで、エントランスを設計する必要があります。
関連記事:【事例あり】オフィスエントランスの役割とは?設計時のポイントや注意点を解説
会議室・応接室
会議室・応接室は、重要なコミュニケーションを取る場所です。たとえば、議論に集中したり、クリエイティブな意見を交わしたりと、重要な内容のやり取りに使用します。来客や取引先などと円滑なコミュニケーションを取るために、利用する目的や収容人数などを考慮して設計しましょう。
家具や内装などを工夫すると、自社のブランドイメージの構築にもつながります。それぞれの部屋には、余計なものを置かないレイアウトを意識しましょう。
関連記事:会議室を活用する7種のレイアウトとは?参加人数に合わせた広さの目安なども解説
関連記事:応接室はもてなしの心で設けよう!ゆとりのあるレイアウトで好印象に
ワークスペース
ワークスペースは、従業員が業務に従事する場所です。業務効率を重視して、働きやすい環境を構築する必要があります。導線も確保して、ゆとりのある空間を構築しましょう。デスク配置や設備の設置なども配慮して、快適な仕事につなげることが大事です。
ただし、業務内容によって最適なワークスペースは異なります。遮音性や視線などに配慮する必要もあるでしょう。自社に最適なオフィスレイアウトに変更し、作業スタイルを確立することが大事です。
集中スペース
集中スペースは、集中力が必要な作業に適したものです。落ち着いて作業ができるように、電話や雑談などの音を抑える工夫が必要になります。たとえば、静音性の高い家具を設置したり、パーテーションを使用したりして、作業に集中できる環境を構築します。
従業員が自由に利用できる集中スペースがあることで、個人の作業効率の向上につながります。壁紙や色などにも配慮して施工をし、作業効率を最大化する工夫が必要です。
関連記事:オフィスに集中ブースが必要な理由は?設置のメリットや適した場所も紹介
リフレッシュスペース
リフレッシュスペースは、従業員がくつろげる空間です。業務の合間に息抜きができ、リラックスすることでストレスの解消が可能です。植物やアート、展望などを工夫すると、よりリラックス効果を高められるでしょう。また、コミュニケーションを活性化し、クリエイティブな業務も円滑にします。
飲料や軽食などを用意すると、憩いの場所として機能するでしょう。従業員の企業に対する愛着も高まり、所属に対する誇りにもつながります。
関連記事:リフレッシュスペースで職場環境改善|必要性・メリット・注意点・成功事例を解説

オフィスデザインの基本的な流れ

オフィスデザインは、課題の明確化やコンセプトの策定、業者の選定などが必要です。ここでは、基本的な流れを解説します。
1. 自社の課題を明確にする
オフィスデザインを設計する際は、自社の課題を明確にしましょう。たとえば、スペースの不足やコミュニケーションの活性化など、企業によって課題はさまざまです。従業員が働きやすい環境を構築するために、現在の課題を洗い出す必要があります。
しかし、課題を明確化し、根本的な問題を解決することは困難です。自社の課題を効率よく解決するために、専門家の知見を活用するとよいでしょう。多角的な視点から提案を受けることで、自社の課題の発見につなげられます。
2. デザインのコンセプトを策定する
コンセプトは、働き方の方針や指針となるものです。自社の課題を解決するために、デザインのコンセプトを定める必要があります。設計の軸が決まることで、目的を見失わずにオフィスのリニューアルの実現が可能です。たとえば、快適な環境の構築がコンセプトの場合、内装デザインやスペースの活用など、さまざまなアイデアが出るでしょう。
コンセプトを策定すると、目的を見失いにくくなります。アイデアを検討する際も、基本的な考え方がブレずに、一貫した判断がしやすくなるでしょう。
関連記事:オフィスづくりにコンセプトが重要な理由とは?コンセプトの決め方や手順を解説
3. 業者を選定する
課題とコンセプトを明確にした後は、業者の選定です。自社のイメージを実現できる、オフィスの設計や施工の専門業者を選ぶ必要があります。業者によって得意分野が異なるため、事前に確認しましょう。
オフィスデザインを実施する際は、オフィスの移転や改修、搬入など、さまざまな業務に対応しなければなりません。準備も複雑になるため、作業を一貫して受けられる業者に依頼するとよいでしょう。管理の効率化やトラブル防止にもつながります。
4. ゾーニングを決める
ゾーニングとは、空間を分けることです。オフィスを効率よく活用するために、用途や性質を考慮してエリアを区分しましょう。たとえば、ワークスペースを立ち入り禁止にしたり、来客スペースの情報漏洩対策をしたりするなどです。自社の課題を解決するため、働きやすい環境構築につなげる必要があります。
ただし、デスクのスペースや通路幅などの確保は必要です。従業員の動線に配慮したうえで、効率のよいゾーニングを構築しましょう。
5. レイアウトを決める
デスクや設備などのレイアウトは、自社の働き方を考慮して決めましょう。先述したレイアウトの種類を参考に、理想とするオフィスの実現につなげることが大事です。職種に合わせたレイアウトに変更すると、業務効率を向上させられます。
たとえば、デスクワークが多い場合は、対向型や背面型、同行型などが適しています。外出が多い職種は、フリーアドレスをはじめとしたレイアウトがおすすめです。専門業者と相談して、最適なレイアウトを検討しましょう。

オフィスデザインの注意点
オフィスデザインは、安全性やセキュリティ、コストなどに配慮が必要です。ここでは、注意点を解説します。
安全性や法令を意識する
オフィス空間には、安全性への配慮が必要です。地震をはじめとした災害を想定して、避難経路を確保しましょう。大きな什器や設備などの設置も避けてください。万が一、地震が発生した際に、通路を防ぐ可能性があります。
オフィスデザインは、機能性や利便性、デザインだけでは不十分です。建築基準法や消防法、労働安全衛生法といった、法律を遵守することが必須です。従業員の安全を確保するために、健全な労働環境を構築しましょう。
セキュリティ対策をする
業務を円滑に進めるためには、セキュリティ対策が必須です。物理的なセキュリティ対策には、入退室の管理システムや防犯カメラ、ゾーニングなどがあります。情報セキュリティは、専用のスペースの設置や音漏れを防止する壁材などが必要です。
ただし、セキュリティ対策には、ツールやシステムの限界があります。従業員教育も行い、最新の脅威を対策することが必要です。個々の従業員の危機管理の意識を高めて、自社の情報を守りましょう。
コスト管理を徹底する
オフィスは設計や施工、設備や家具の設置など、さまざまなコストがかかります。必要な機能を考慮して優先順位を決めて、不要なものを省くことでコストの削減につなげられます。初期の段階で予算を設定し、効率よく配分することが大事です。
ただし、安価な費用で業者に依頼することは避けましょう。デザインや工事のみを請け負う業者に依頼すると、サービスの質が低くなる可能性があります。コストとサービスの質が見合うかどうかを、事前に判断することが大事です。
オフィス家具も配慮する
オフィス家具も、企業のデザインの一部です。オフィス空間全体のイメージを考慮して、機能とデザインのバランスを取る必要があります。家具のコストを抑えるには、中古品やリース品の導入も検討しましょう。新品同様のものも購入できるため、コストの削減につなげられます。
オフィスは家具だけでなく、照明も大事です。光の調節によって、空間に奥行きや立体感をもたせられます。色や温度なども考慮して、用途に応じた照明を活用しましょう。
従業員の意見を聞く
快適なオフィス空間の構築は、実際に働く従業員の意見を参考にするとよいでしょう。ヒアリングやアンケートを通して、現状の不満やニーズなどの把握ができます。コンセプトやデザインに意見を反映し、自社の課題を解決するデザインやレイアウトを構築しましょう。
また、従業員がオフィスデザインに関わると、企業に対する帰属意識も高まります。経営陣のみが決定するのではなく、実際に働く従業員の意見を聞くことで、より実践的なオフィスデザインにつなげられます。
オフィスデザインの専門業者に依頼する際のポイント

オフィスデザインは、業者のサービスやサポートが影響を与えます。ここでは、専門業者に依頼する際のポイントを解説します。
実績を確認する
業者のホームページから、デザインの実績を確認しましょう。豊富な実績をもつ業者は、さまざまな要望に対応してくれるのでおすすめです。施工事例の写真を確認し、完成イメージに近いものを見つけましょう。
デザインの豊富さも、選定する基準となります。実績が豊富な業者は、最適なレイアウトの提案にも対応してくれます。業者によって得意分野が異なるため、目的や希望にあうサービスがあるかどうかの確認も必要です。
サービス内容を確認する
業者によってサービスの内容は異なり、対応できる範囲もさまざまです。たとえば、オフィスレイアウトの場合、設計や内装工事、電気工事、施工など、複数の工程があります。必要な項目が含まれていない場合は、他の業者に依頼しなければなりません。
各プロセスを別々に管理すると、手続きも煩雑になります。担当者とのやり取りも増えて、業務負担が増えるでしょう。オフィスデザインを依頼する際は、一貫したサービスに対応できる業者を選ぶことをおすすめします。
サポート体制を確認する
業者のサポート体制も、オフィスデザインに必要な要素です。サポート体制が充実した業者は、施工後のメンテナンスや追加のリクエストなど、さまざまな要望に対応してくれます。オフィスに問題が起こった場合でも、迅速な対応が期待できます。
オフィスによっては、将来的な拡張や変更なども必要となります。仕事をするなかで、途中で問題が発覚する場合もあるでしょう。業者と長期的な関係を構築できるように、定期的なメンテナンスや不具合などへの対応も確認しましょう。
複数の業者の見積もりを取る
見積もりを複数取り、費用やサービスの内容を比較しましょう。複数の業者に見積もりを出すことで、適正な価格であるかを判断できます。不要な項目や不足している項目を確認でき、金銭のトラブルの防止につながります。具体的には金額の詳細を確認し、家具や設備などのシミュレーションを行いましょう。
ただし、費用のみで業者を判断するのは避ける必要があります。自社の目的の達成を優先し、理想のオフィスデザインを実現できる業者を選ぶことが大事です。
資料「オフィスレイアウトの基本の教科書」を無料でダウンロードする
オフィスデザインの成功事例
オフィスデザインは、企業によって活用方法が異なります。ここでは、成功事例を紹介します。
Wing-AI Lab〈-紫峰-オフィス〉〈秋葉原オフィス〉
「Wing-AI Lab」は、Hondaグループ内ベンチャーとして誕生した組織体です。茨城県常総市の「-紫峰-オフィス」と秋葉原オフィスは、人々が集まり進化するワークプレイスとして設立されました。
テーマは、国籍を超えたレイアウトの構築です。新規と既存のメンバーのコミュニケーションを活性化させ、エンジニアのパフォーマンスを高める目的があります。それぞれのオフィスには、「Active W Base」をコンセプトにした、“ホンダWing”の想いが中核に秘められています。
オフィスに大胆なクロスのレイアウトを採用し、アクティブなワークスペースを実現しました。視線が混じり合うカジュアルな距離感が、コミュニケーションを促します。また、ベース照明やRGB色のアッパー間接照明などを活用し、業務に集中できる環境の構築にもつなげています。
Wing-AI Lab〈-紫峰-オフィス〉〈秋葉原オフィス〉 | 実績紹介 | 株式会社丹青社
MonotaRO 本社
株式会社MonotaROは、「WorkCampus」という、新たな発見が得られる場として変革するために本社を移転しました。コミュニケーションの促進やお互いを刺激し、高め合うことを目的としています。
テーマは、オフィスの再定義です。働き方が多様化するなかで、現実のオフィスの役割を追求して具現化することで、存在意義の再定義をしています。従来までは、生産的・効率的に働く場所としての「Workplace」でした。新拠点の創造によって、会社に所属する誇りと喜びを得られるようにつなげています。
本社には、執務空間の回遊導線に沿って、あらゆるシチュエーションに対応できる場を実装しています。たとえば、ハイカウンターやカフェエリア、シアタースペースなどです。人数や使い方に縛られない場所を構築し、リアルなコミュニケーションやセレンディピティを誘発する、さまざまな仕掛けもあります。
やまやコミュニケーションズ 本社オフィス
株式会社やまやコミュニケーションズは、九州のワクワクする食文化を発信するための新拠点を構築しました。コミュニケーション創造のために、交流が活性化する本社や新工場、レストランの見学エリアなど、さまざまな施設を一体化しています。
テーマは、コミュニケーションの活性化やレイアウトの効率化です。本社の面積縮小に伴い、見通しのよい一体的なオフィスの構築を目的としています。株式会社丹青社は、コンセプトを具現化するために、全体の企画から運営サポートまでを一貫して推進しました。
本社は多様な働き方の執務スペースやR&Dなど、さまざまなエリアで構成されています。働き方に応じたエリアを設定し、社員のパフォーマンスが向上する環境の構築に成功しました。棚や植栽でプライバシーを確保する空間や、自然と人が集まり議論しやすい鉢型プレゼンテーションスペースも導入しています。
やまやコミュニケーションズ 本社オフィス | 実績紹介 | 株式会社丹青社
コジマプロダクション新オフィス
コジマプロダクションの新オフィスは、「Spaceship Transformation」 をコンセプトに改装しています。クリエイティブスタジオの機能性を拡張したうえで、遊び心や革新性が表現された空間をデザインに設計しました。
テーマは、世界のゲームクリエイティブスタジオと並ぶ、デザインと機能を有した空間です。また、セキュリティと秘匿性を保持しつつ、クリエイター同士のコミュニケーションを促進する目的もあります。
同社のクリエイティビティを可視化するため、シンボルのキャラクターである「ルーデンス」に導く演出を実装しました。コントラストが際立つカフェテリアは、クリエイターのコミュニケーションを活性化し、ゲームクリエイションも刺激します。秘匿性の高いゲームコンテンツを想定し、動線と区画を配慮したゾーニングも実施しています。
コジマプロダクション新オフィス | 実績紹介 | 株式会社丹青社
USEN-NEXT GROUP オフィス
USEN-NEXT GROUPは、グループ企業9社約1300人を統合しました。働き方改革とグループの結束強化を推進するため、分散していた複数の建物を再開発ビルに移転しています。
テーマは、「NEXT STYLE OF OFFICE」という、一体感のある環境づくりです。グループ統合拠点として、ボーダレスなワークスペースの構築を目指します。加えて、IoTやICTによる店舗運営など、近未来のサービスを体験できるスペースも構築しています。
同社は、「ABW(Activity Based Working)」という、業務に適した場所で働く環境構築を推進しました。壁を廃したフロアの回遊性や、緑の多い応接フロアのホスピタリティなど、多様な執務フロアを構築しています。「Next Avenue」という、近未来の運営システムを体験するリアルな空間も提供しています。
USEN-NEXT GROUP オフィス | 実績紹介 | 株式会社丹青社
住友不動産販売 麻布コンサルティング
住友不動産販売は、コンサルティング事業の拠点を構築しました。都心不動産の売買に関する相談役としてだけでなく、外国の方の相談にも対応するための、不動産コンサルティング事業の第一号拠点です。税理士や弁護士と連携して、セミナーや個別相談会も開催する拠点としての役割もあります。
テーマは、信頼感・安心を感じさせる格式高い空間づくりです。外国の方々や資産性の高い都心不動産に関心をもつ層など、ターゲットに対して住友不動産販売のイメージを構築する目的があります。既存店舗より格式高いイメージを構築するために、上質な空間の構築につなげました。
中央のラウンジは、光による演出によって、居心地のよい特別な空間を感じさせるように設計されています。応接室もカラーコーディネートを工夫し、重厚感や個性をもたせる工夫がされています。
住友不動産販売 麻布コンサルティング | 実績紹介 | 株式会社丹青社
インテリジェンス ビジネスソリューションズ本社
インテリジェンス・ビジネスソリューションズは、人材サービス事業のインテリジェンスグループの1つです。フロアの来客エリアでは面談や採用面接を行い、コミュニケーションスペースでは、ITエンジニアが帰社した際の対応に使用されています。
テーマは、ITエンジニアの働きやすい環境につなげることです。独自のワークスタイルに対応するオフィスを構築し、エンジニアの帰属意識や持続性を向上させる目的があります。コンセプトの「FUN FAN CHOICE OFFICE」をもとに、「はたらくを楽しもう」というスローガンを具現化しています。
同社はオープンでフレキシブルな空間のために、会議室をつくらない方針で運営されています。「クリエイティブベース」という、交流を促す空間を構築し、コミュニケーションの見える化や集約化も実現しました。
インテリジェンス ビジネスソリューションズ 本社 | 実績紹介 | 株式会社丹青社
HIBIKOKU TERRACE(ヒビコクテラス)
HIBIKOKU TERRACEは、ビルの再活性化を目指してオフィスデザインを構築しました。資産価値の向上や新規テナント誘致など、「使えるアウトドアオフィス」の創出につなげています。近隣オフィスと差別化するために、新たなアイデアで付加価値を高めることに成功しています。
テーマは、利便施設としての活用です。たとえば、ビル出⼊⼝前の広場の活⽤や⼊館をスムーズにすることなどです。話題性の⾼いスポットにしたり、ビル内の就業者の満⾜度を向上したりする目的もあります。
「ABW(Activity Based Working)」として、ワークスタイルを選べる機能を多く採用しました。公園機能を軸とせずに、気分や⽬的に合わせて働ける環境を構築しています。また、吹き抜けを活⽤した⾼⽊を配置し、都市の洗練さと居心地のよい空間の両立を実現しました。
HIBIKOKU TERRACE(ヒビコクテラス) | 実績紹介 | 株式会社丹青社
株式会社丹青社
株式会社丹青社は、次世代のオフィスを追求しています。ここでは、当社のオフィスデザインを紹介します。
品川本社オフィス
2015年、本社を品川本社オフィスに移転しています。「未来創造ゲートウェイ」をデザインコンセプトに、有形・無形を問わず、リソースが行き交うプラットフォームを構築しました。生産性や知的創造性(クリエイティビティ)などを念頭に、空間づくりに取り組んでいます。
本社オフィスの特徴は、レセプションラウンジやオープンなミーティングルーム、クリエイティブライブラリーなどです。それぞれの場所で多くの出会いがあり、クリエイティビティを発揮できる工夫がされています。
執務エリアはフリーアドレスを採用し、新しいアイデアに向き合うチャレンジとして機能しています。集中ブースやプレイゾーンなども用意し、コミュニケーションや心身のウェルビーイングなどの促進に成功しました。
港南ラボ マークスリー[Mk_3]
港南ラボ マークスリー[Mk_3]は、新たな価値を生み出す共創プラットフォームです。先端的な技術・コンテンツをもつ企業やクリエイターと協力して、空間×テクノロジーの可能性を追求しています。エンドユーザーや事業者に、質の高い体験を得る空間を提供するため、研究や実証実験を続けています。
「Mk_3 LAB:」や「Mk_3 STUDIO」といった、ラボスペースやアジャイル型スタジオも併設しました。それぞれ多種多様なプロフェッショナルたちが、新たな価値を生み出すために活用しています。より新しい体験を提供するためにも、空間演出技術を応用し、研究・実証・協働を進めています。
新宿サテライトオフィス
新宿サテライトオフィスは、「便利なエリアで自宅ではできないことができる場所」です。エンゲージメントを高めるための「HEAD OFFICE」と、ソロワークを推進する場の「HOME」の中間の拠点ともいえます。当オフィスには、直接コミュニケーションを図れる場でもある「SATELLITE OFFICE」を設置しました。
また、当社の設定した「分散ネットワーク型オフィス」として、拠点ごとの機能も整えております。本社オフィスに行かずとも問題なく業務にあたれるように、必要な設備を構成しました。立地の「利便性」と生業の道具が揃う「効率性」、多様な使い方に応えられる「可変」といった、3つをもつ場として機能しています。
関西支店
関西支店は「西の未来創造拠点」として設立し、2025年にはフロアを増床してアップデートしています。生産性とウェルビーイングを念頭におき、新たな価値を生み出す共創のエスカレーションを目指す場所でもあります。デザインコンセプトは、「Co-creation/Co-existence/共創のエスカレーション」です。
レセプションエリアは、季節ごとに異なる演出で迎える場所です。ICT技術を搭載した「表情が変化する壁」を設置し、BGMや香りなど、さまざまな工夫を感じられます。エントランスエリアや執務エリアには、古材を再利用した内装素材を採用しており、地域や地球との価値共創も目指しています。
名古屋支店
名古屋支店は、「ものづくり」と社会との接点づくりを目的としたオフィスです。中期経営計画において、「サステナビリティ対応への基盤整備」を掲げています。環境への配慮と柔軟な働き方を両立するため、サステナビリティ要素を含めたオフィスづくりを目指しています。たとえば、廃材や再生材を利用した什器や内装などを採用しており、多面的な機能と価値を活かす点が特徴です。
執務室の床材や会議室のテーブルといった、目に触れる部分の多くの部分に使用しているのも廃材の素材です。お客様とのコミュニケーションのきっかけが生まれ、社会との接点につなげています。サステナブルなオフィス空間は、企業のブランドの表現にもなるため、お客様への提案として活用することを目指しています。

まとめ
オフィスデザインは、働く環境をつくることです。快適に働ける環境は、従業員のモチベーションや企業の生産性などを向上させます。ただし、企業ごとに最適なデザインは異なり、専門的な知識やノウハウが求められます。ニーズに合わせた提案ができる実績豊富な業者に依頼するとよいでしょう。
丹青社は、多様な業界の空間づくりで培ったノウハウを活かし、柔軟かつ的確なオフィス空間をご提案します。現在のオフィスに課題を持つ方は、ぜひ丹青社へご相談ください。

「働く場づくりに携わる方」へおすすめの資料 | |
---|---|
オフィスレイアウトの基本の教科書![]() | ▼この資料でわかること ・オフィスレイアウトの重要性 ・オフィスレイアウトにおけるデスクの基本配置 ・オフィスレイアウトを検討する前の3つの計画 ・オフィスのトレンド >無料でダウンロードする |
ウェルビーイングなオフィスのつくりかた![]() | ▼この資料でわかること ・ウェルビーイングなオフィスが注目されている背景 ・ウェルビーイングなオフィスづくりのアイデア ・ウェルビーイングを取り入れたオフィスの成功事例 >無料でダウンロードする |
Z世代の「働き方」に対する価値観とは?![]() | ▼この資料でわかること ・Z世代と「働き方やオフィス」に関する注目の定量調査/データ ・“3つのキーワード”で紐解くZ世代の「働き方やオフィス」に対する価値観 >無料でダウンロードする |
この記事を書いた人

株式会社丹青社
「こころを動かす空間づくりのプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。

この記事を書いた人
株式会社丹青社